「未済乾乾(ビセイケンケン)」とは

 最初に、このブログのタイトル「未済乾乾録」は「ビセイケンケンロク」と読みます。

 「未済(ビセイ)」は易の最後の64番目の卦「火水未済」から取りました。物事がまだ完成されていない状態を言います。直前の63番目の卦が「水火既済」、これは完成された状態を言います。易がすごいのは未完成の卦を最後に持ってきていること。変化を尊ぶので完成より未完成を上にみます。
 「乾乾(ケンケン)」は易の最初の卦「乾為天」3爻「君子終日乾乾」より取りました。「君子は日夜研鑽努力する」という意味です。

第64卦 火水未済:未完成
第1卦 乾為天:天に昇る龍

 最後の卦と最初の卦をつなげて、「まだまだ未完成だから一層努力しよう」という自戒の意味をこめて作りました。

 ちなみに、明治時代の外務大臣陸奥宗光による『蹇々録』(ケンケンロク)という名著があります。この蹇々は水山蹇2爻から採られたものです。

 西洋ヘレニズムからの象徴画像で「ウロボロス」というのがあります。自分の尾っぽを咬んでいる蛇として表されます。「永遠」「循環」「完全」「陰陽合一」などの意味があります。

 易にはもちろん「変化して止まない」という意味があるのですが、最後の卦と最初の卦をつなげて、ウロボロス的な意味を重層的に含ませて、東洋と西洋を医療の場でつなげてみたいと思っています。

 このブログでは、私が独自に開発したフォトタッチメソッド(Photo Touch Method: PTM)を中心に、漢方、西洋医学、鍼灸、フラワーレメディー、ホメオパシー、気功、催眠、易占などについて書くつもりです。最近は、易をPTMでやって臨床に役立てています(PTMの説明は、別のページで行っています)。私の行っている易を「クリニカル易占」と名付けました。当分、易の症例を順次アップしていくつもりです。(*症例の、性、年齢、症状などの属性を変えるので患者さんは特定できなくなります。でも、記述の本質的な部分は十分に伝わるようにするつもりです。)

 以下の表は、上卦(外卦)と下卦(内卦)の組み合わせで64個の卦を探しやすくしたものです。殆どの「易」の本に載っているものと同じです。それぞれの文字をクリックすると各症例に飛びます。2022年の年末ギリギリに2ヶ月かかってすべての卦についてアップできました。その後も徐々に症例を増やしています。右の蘭には易経の「序卦伝」の順に各卦を並べました。番号が頭に入っている中級者以上向きです。
「クリニカル易占」では1つの症例について複数の卦がでるので、各卦が出たすべての症例を見たい時は右の「サイト内を検索」に卦の名前をいれてクリックしてください。


坤(地)

艮(山)

坎(水)

巽(風)

震(雷)

離(火)

兌(沢)

乾(天)

⇐上卦/下卦⇓
地天泰(ちてんたい)山天大畜(さんてんたいちく)水天需(すいてんじゅ)風天小畜(ふうてんしょうちく)雷天大壮(らいてんたいそう)火天大有(かてんたいゆう)沢天夬(たくてんかい)乾為天(けんいてん)
乾(天)
地沢臨(ちたくりん)山沢損(さんたくそん)水沢節(すいたくせつ)風沢中孚(ふうたくちゅうふ)雷沢帰妹(らいたくきまい)火沢睽(かたくけい)
兌為沢(だいたく)天沢履(てんたくり)
兌(沢
)
地火明夷(ちかめいい)山火賁(さんかひ)水火既済(すいかきせい)風火家人(ふうかかにん)雷火豊(らいかほう)離為火(りいか)沢火革(たくかかく)天火同人(てんかどうじん
離(火)
地雷復(ちらいふく)山雷頤(さんらいい)水雷屯(すいらいちゅん)風雷益(ふうらいえき)震為雷(しんいらい)火雷噬嗑(からいぜいごう)沢雷隨(たくらいずい)天雷无妄(てんらいむぼう)
震(雷)
地風升(ちふうしょう)山風蠱(さんぷうこ)水風井(すいふうせい)巽為風(そんいふう)雷風恒(らいふうこう)火風鼎(かふうてい)沢風大過(たくふうたいか)天風姤(てんぷうこう)
巽(風)
地水師(ちすいし)山水蒙(さんすいもう)坎為水(かんいすい)風水渙(ふうすいかん)雷水解(らいすいかい)火水未済(かすいびせい)沢水困(たくすいこん)天水訟(てんすいしょう)
坎(水)
地山謙(ちざんけん)艮為山(ごんいざん)水山蹇(すいざんけん)風山漸(ふうざんぜん)雷山小過(らいざんしょうか)火山旅(かざんりょ)沢山咸(たくさんかん)天山遯(てんざんとん)
艮(山)
坤為地(こんいち)山地剥(さんちはく)水地比(すいちひ)風地観(ふうちかん)雷地豫(らいちよ)火地晋(かちしん)沢地萃(たくちすい)天地否(てんちひ)
坤(地)

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