天地否(てんちひ):否塞の時

否之匪人。不利君子貞。大往小来。
之を否ぐは人に匪ず。君子の貞に利ろしからず。大往き小来る。
これをふさぐはひとにあらず。くんしのていによろしからず。だいゆきしょうきたる。

象意(意味する所)

■天の下に地がある、一見正常そうだが天は上り地は下がる、お互いに気は交わらない、よって否。内側に陰の小人がかたまり外に陽の君子がかたまる、発展がない、よって否。乾の精神が肉体の坤の外にある、精神は肉体に宿って働くのでこれでは機能しない、よって否。

■否定、否塞、塞がる、交流しない、不和、失敗

■天地否の裏には地天泰があるので、変わりうるポテンシャルを持つ。消長卦のひとつ、「天山遯」から来て次に「風地観」に移る可能性がある。

クリニカル易占でのポイント

●臨床的には、否定、拒否、認めない、八方塞がりなどの意味で出る。

●臨床では割と多く出る卦だ。とくに人間関係が悪い時にでやすい。

●上に述べたように、この卦は、「易位」しても地天泰になり、「伏卦」も地天泰だし、「綜卦」も地天泰なので、こちらの態度をかえると「地天泰」になり運が開ける可能性がある。だから四難卦の一つではない。

症例