訟、有孚窒。惕中吉。終凶。利見大人。不利渉大川。
訟は、孚あれど窒がる。惕れて中すれば吉、終うれば凶。大人を見るに利ろし。大川を渉るには利ろしからず。
しょうは、まことあれどふさがる。おそれてちゅうすればきち、おうればきょう。たいじんをみるによろし。たいせんをわたるにはよろしからず。
象意(意味する所)
■乾天は上り坎水は下るのでそれぞれ別の主張をして断絶が深まる、だから訟。天地否の否塞状態に1陽がきて2爻の陰と置き換わった、すると坤が坎となり、2爻の陽に率いられて上に訴え始める、だから訟。
■訴訟、訴え、争う、乖離、不和反目
■この卦は争うことの愚かさを言う。
■内卦は坎険でこまっていて、外卦に訴えても相手は乾天で剛毅で情がないので、聞いてくれないというイメージが有る。
クリニカル易占でのポイント
●臨床ではこの卦は非常に多く遭遇する。文句、苦情、要求、要望、命令などの意味で出る。
●「相続の問題」、「離婚裁判」、「母からの訴え」、「上司に文句がある」など例が多い。
●外卦が反応すれば相手からの訴えがおおい、内卦が反応すればこちらからの訴えがおおい、と見る。