同人于野。亨。利渉大川。利君子貞
人に同じくするに野に于てす。亨る。大川を渉るに利ろし。君子の貞に利ろし。
ひとにおなじくするにやにおいてす。とおる。たいせんをわたるによろし。くんしのていによろし。
象意(意味する所)
■乾天の下に離火としての太陽が輝いて、天下の万物を同じように照らすので同人。乾天と離火は大きく明るく昇る性質は同じなので同人。5爻には君主としての陽が正中を得て、2爻の臣下に陰が正中をえる、この2つは陰陽で応じているので同人。
■私見だが、この卦は人類の進化を表す。天の下で火を使うのは人類だけだ。この卦の卦辞を解釈すると以下のようになる。『700万年前に人類はチンパンジーから分かれ密林からサバンナに(于野)移動した、そして力を合わせて協力(同人)する様になり生き延びた(亨)。つぎに、約20万年前に大河を渡ってアフリカから出た(利渉大川)、そしてついに知恵を獲得した(利君子貞)。』だから、「天火同人」とは夜の天の下で火を囲んでいる人類を意味する。
■同じ、同志、共同作業、協力、親和、公共、公明正大
■ライバル、競争、仲間の争い、裏切り
■2爻の1陰が上に移動すると「天沢履」になり、下に移動すると「天風姤」になる。
クリニカル易占でのポイント
●この卦は臨床では本当にたくさん出る。家族・親族以外の人間に関係することはこの卦が反応する。相手が問題のときは外卦が反応する。「天火同人」と別の卦の組み合わせで、その相手がどのような状態にあるかがわかる。
●例えば、「天火同人」+「天水訟」が反応すれば、相手から文句がおおい、要求が多いなどと解釈できる。
●「天火同人」の初爻の下で反応する時は亡くなった人のことがおおい。それは家族以外の人だ。別のところでも書いたが、家族がなくなると「風火家人」の下に反応が出る、それが時間が立つにつれて「天火同人」の下に移っていく。だんだん家族性が薄れていくということだろう。