風沢中孚(ふうたくちゅうふ):中にある真心

中孚、豚魚吉。利渉大川。利貞。
中孚は、豚魚にして吉なり。大川を渉るに利ろし。貞しきに利ろし。
ちゅうふは、とんぎょにしてきちなり。たいせんをわたるによろし。ただしきによろし。

象意(意味する所)

■中孚とは真心の意。上に風が吹き下に沢がある、風につれて波が立つ、これは無心の動きであり、よって中孚。外卦は巽で従い、内卦は兌で喜ぶ、喜び従う、ひっくり返して綜卦にしても同様に喜び従う、我と彼相互に喜び従うので、これは真心あってゆえ、よって中孚。

■卦象を見ると真ん中が抜けている、これは無心の心をいみしている、よって中孚。外卦の巽は下に口を向けた親鳥、内卦の兌は上に口を向けたひな鳥、親が子に餌を無心にやっている、よって中孚。

■真心、誠実、真実、親和、親睦、恋愛、可愛がる

■向かい合った口の象とみえるので接吻の象。仲の良い意味がある。

クリニカル易占でのポイント

●臨床的には仲が良い、可愛がるなどの意味で出ることが多い。

●以前「過保護」「子供が心配」と出たことがある。これは「孚」の字は親鳥が卵を抱いている象であり、過保護的状況を意味していた。

●一番臨床的に問題になるのは「卵の食べ過ぎ」だ。「雷山小過」+「風沢中孚」などの組み合わせででる。「孚」は卵を意味するのでこの様な反応が出るのだろう。体外受精のためのよい卵がとれないときもこの卦がでた。

症例