”腹が立つと食べてしまう”
半年まえに頭痛で来た人が再診。
今回も1月前から頭痛がふえたという。
めまいも時々ある。
全体的に体がだるい、学校にも行くのも億劫だ。
顔のニキビがひどいので皮膚科にかかっている。
飲み薬と塗り薬がでている。
確かに、みると顔の皮膚が荒れている。
以前より横幅が大きくなり体重が増えていそうだ。
食べすぎると、皮膚が悪くなりやすい。
特にお菓子が皮膚に悪影響をあたえる。
横になって見せていただく。
足はムクミがあり、瘀血もある。
下半身が重たそうだ。
腹には軽い腎虚がある。
全体的に膨満。
胃の上あたりに脂肪がついている。
これはお菓子を食べる人にでる所見だ。
肝臓のあたりも鬱滞しておもたい。
やっぱり食べ過ぎを疑う。
「お菓子とか食べませんか?」
「うん、食べます。」
「多い?」
「そうでもないけど、皆と同じ程度。」
さらに見ていくと、気の流れがわるい。
なにかスッキリしないものを感じる。
単なる食べ過ぎではなさそうだ。
起きてもらってPTM易を行った。
問は「この方の問題点は?」とした。
すると、「天水訟」「山風蠱」「風火家人」「兌為沢」が反応した。
天水訟は、苦情、文句、要求があるときに出る。
風火家人は、家族、身内だ。
身内の人に文句があると思われる。
「だれか家族で、文句をいいたい人はいませんか?」
「お兄ちゃんにムカついている。」
山風蠱なので、汚い感じがある。
「お兄ちゃんは、掃除とかしない?片付けない人?」
「全然、しない。やりっぱなしで汚い。でも、お母さんは何も言わない。」
どうも、母は兄に対して甘いようだ。
兄は何もしないので、しわ寄せはこの患者さんにくる。
だから腹が立つ。
兌為沢は、口が2つなので、よく食べることを意味する。
家庭のストレスで、食べることでストレスを解消しようとしているのだろう。
「腹が立ったら、食べませんか?」
「無性に食べたくなります。食べたらホッとします。」
お菓子だけではない、手当たり次第にたべている。
ストレスが引き金になっている。
漢方は、ストレスに対して抑肝散陳皮半夏などを処方して終わりにした。
コメント
●「兌為沢」は、喜び、よく食べる、よく喋る、などで臨床では出ることが多い。
●女性はストレスがあると食べること、喋ることでストレスを発散することがある。
「兌」は口であり少女の象でもある。兌が2つ重なった兌為沢は口の意味と少女の意味を更に強める。