「風火家人」症例1:50代女性

”地下に眠る家人”

 1週間前からめまいがあるといって来院された。
調子がわるくなると、時々来られるかた。今回は半年ぶりだ。

 寝てもらって診ると、皮膚のピリピリ感、喉のイガイガ感があり、典型的な花粉症のように思う。めまいも体動時にあるというので、耳の症状。
花粉症で耳、鼻、喉がやられて頭位変換性のめまいが起こったのだろう。

 さらに高次のレベル(コーザル体)を診ると、どうも先祖を意味する右前上の空間が弱くなっている印象がある。このようなことはあまりないのだが、と思って、
「最近、お墓参りしてますか?」と聞くと。
遠いので、コロナがあるし、かなりの間行っていない、とおっしゃる。
これがなにか、体調に影響しているのだろうか?と疑問に思う。

 椅子に座ってもらって、PTM易をする。「問題点は?」といって易に問う。
すると、「天雷无妄」と「風火家人初交(1爻)」が反応した。

「天雷无妄」は自然現象のときによく出る卦なので、花粉症を意味するのだろう。
当たり前だけど、花粉も自然の一部だ。

 問題は「風火家人」。初爻が反応するのだが、指を動かしてもっと細かく診ると、初爻より下の部分で反応する。初爻を足とすると、なんと「地下」で反応する!!。
すると、「地下に埋まった家人」ということになる。
たぶん、お墓に埋まった父か母のことだろう。
ずっと前の先祖なら家人の意味は薄くなって、別の卦が出るはず。

 「お父さんか、お母さんでしょう?」と聞くと。そうだとおっしゃる。
「お墓にいけませんか?」と聞くと、九州の山奥ですぐには行けないという。
「ご先祖の加護がよわくなっているよ」と教える。
お仏壇もないし、仕方ないので、自分でココロの中で拝むようにすると、おっしゃった。
それでも気の流れはすこし良くなってくれた。
漢方はPTMでモンテルカストと半夏白朮天麻湯が反応したので、これを処方して、終了。

コメント

●「風火家人」は、字の通り、家の人、家族、親族、家についての諸々、を表す。
わかりやすい卦だ。このように亡くなった人が出ることはあまりない。この方にとってはなくなった人でも、比較的最近のことなので、まだ「家人」としての意味があるのだろう。

●爻の位置は卦の解釈に役立つ。典型的には初交(1爻)は足、上爻(6爻)は頭を表す。でも、初交の下で反応することは初めての経験だった。その意味で易は面白い。かつ、筮竹やサイコロによる易占ではわからないこともPTM易ではわかるのだ。

●気の流れ、気の分布がわかるようになると、(怪しいことだが)先祖の影響もわかるようになる。私は先祖を右前上の空間で同定している。

●「天雷无妄」は自然現象でよくでる。自然の動物、風、雨、植物、自然態でやる、本能、欲望などがでる。この卦は割りとでるわりには、意味するところが広いので、同定しにくいことがある。