”手術も膝が痛くちゃ逃げられぬ”
1年前から首コリ、肩コリがあると行ってこられた方。
他にも右の腕のしびれが時々おこり、整形外科では頸椎が悪いと言われている。
それに対してはリハビリをうけている。
膝もわるいが特段治療をうけていない。
骨粗鬆症に対しては注射をうけている。
話をきくと、筋骨格系の問題が多い。
内科的には、血圧と高脂血症の薬がでている。
以前は胸が苦しくなりニトロが出ていたこともあると。
身長はそれほどないが、みるからに横幅が大きい。
横になってもらって診察する。
いつものように足から順番にみていった。。
足首にむくみがあり、脾経の奥に瘀血をみとめた。
膝に移ると、かなり変形がきつい。
特に左の膝は触ると熱を持っているのがわかる。炎症がある。
両方とも関節がまっすぐに伸びない。
膝が切り株のようにゴツゴツしているので、これでは痛いだろうとおもう。
「痛くないですか?」と聞いてみた。
やはり痛いとおっしゃる。歩くときには杖を使っている。
腹をみると、膨満している。
栄養過多の腹だ。これでは体重がおもくなり、膝の負担が増すばかりだ。
「食べすぎですよ」というと。
美味しいから沢山食べるという。
「運動していますか?」ときくと。
コロナがあるので、家にこもっているという。
家にこもって、テレビをみてお菓子をたべているようだ。
運動をするにも、あの膝では無理だろう。
「膝が悪いから、運動できないんじゃないですか?」と聞くと、
家の周りは坂道がおおいので歩けないと言う。当然運動もできていない。
診察でわかったのは、一番の問題は、”食べ過ぎによる肥満”だ。
ただ、食べ過ぎを改善する薬は特殊な場合でしかつかえない。
ひょっとして、膝の手術をしてもっと歩けるようになれば、全体が改善するのではと、感じた。
そこで、起きてもらってPTM易で「一番問題点は?」と聞いてみた。
すると、「天山遯」が反応。
この卦の意味はすぐに閃いたので、患者さんに次のように聞いてみた。
「膝の手術を勧められていませんか?手術を逃げていませんか?」と。
すると、5年前から整形で勧められているが、手術が怖いし、コロナが起こってきたので、
コロナを理由に伸ばし伸ばしにしていると言う。
やっぱり、手術から逃げようとしている。だから「遯」なのだ。
「天山遯」は、逃げる、逃避、引き下がる、を意味する。
今かかっている、整形外科では、すでに信頼できる手術病院を紹介されている。
気の流れでみると、その病院と患者さんの相性も悪くない。
多分、順調に行くはずだ。
なぜなら、手術をするとどうなるかもPTM易で見たところ、「火天大有」や「雷天大壮」が反応したからだ。言うまでもなく、これらの卦は吉だ。
よって、患者さんには「コレだけ膝が痛いと、もう逃げるわけにはいかんでしょ。まだ若いし手術したらどうですか?」「歩けるようになったら、人生はもっと楽しいよ。」と手術を勧めた。
漢方は食べ過ぎに効く「五積散」をPTMで選んで、終了とした。
コメント
●「天山遯」は、逃げる、逃亡、隠遁、遁走、退く、などの意味がある。普通は撤退すべき時に出る卦だが、今回は問題点を聞いたので、退くのは良くないということ。だから「退くな」と解釈した。
●このような症例に「漢方」を処方したところで、効果はすくない。本質的な問題の治療にならないからだ。やはり、西洋医学の得意な外科的治療を選択すべきだ。どのような治療をえらぶかもPTMをするとわかることが多い。
●私は「五積散」を食べ過ぎの人によく使う。食べすぎて関節が固くなっているひとにPTMがよく反応する。