”肉の食べ過ぎ”
1週間前から右の目の周りがピクピクすると言ってこられた。
2年ぶりの受診。
自分では気になるが、他人が見るとはっきりしないという。
心配になって受診。
内科的には特にもんだいない。
不眠があるので心療内科で睡眠薬をもらっている。
他には、花粉の症状がでてきたという。
目がショボショボする。
鼻も鼻水が朝に多い。
横になって見せていただく。
足は肝経が実になって突っ張っている。
腹には胸脇苦満を認める。
肝臓の鬱滞もありそうだ。
喉の奥がイガイガする。
上咽頭が乾燥して、熱があるような感じを受ける。
これが耳と目に繋がっている。
体が火照ってあつい。
内に熱がこもっている。
のぼせがひどい。
しかし年齢的には更年期ではない。
気の流れが全体的にわるい。
起きてもらってPTM易で見てみた。
問は「気の流れがわるい原因は?」としてみた。
すると、「風天小畜」「山天大畜」「沢風大過」「雷天大壮」などが反応した。
これは典型的な所見だ。
肉の食べ過ぎ。
風天小畜は、小さな家畜を意味する。鶏や豚だ。
山天大畜は、大きな家畜を意味する。牛だ。
沢風大過は、過剰、オーバーを意味する。何かがオーバーとなっている。
雷天大壮は、壮大、盛大、勇壮などの意味だが、これは卦の形が「大兌」なので、口が大きい。だから、声が大きくよく食べる。
以上より、肉の食べ過ぎとみた。
「肉をたべませんか」
「子どもが育ち盛りなんで、毎日肉を食べてます。」
やっぱりだ。
肉を食べると、エネルギーをとりすぎるので体が熱くなる。
そして更年期でもないのにノボセル。
ノボセルと顔や頭にいろいろ症状が出てくる。
今回は、食べ過ぎに対して九味檳榔湯を、花粉に対して小青竜湯を処方して終わりとした。
コメント
●「沢風大過」は、多過ぎる、超過、過剰、などを意味する。
●臨床で一番出るのは、今回のように食べ過ぎのときに出る。少し食べ過ぎのときには「雷山小過」がでる。肉が多いときは肝臓が奥の方で鬱滞している感じをうける。そして体が熱くなる。
●「雷天大壮」は、形が「大兌」なので、口が大きい。一回の量がおおい。大喰らいを意味する。
「兌為沢」は兌が2つなので、口が2つある。これは一回量は少ないが頻回に食べて、食べ過ぎになっている。