「地風升」症例3:30代男性

”一升瓶で歓待”

疲れがあると言って来られた方。
同時に咳がとまらない。
花粉の季節で症状がきつくなっている。
今回は半年ぶりだ。
この夏は疲れが溜まったと言っている。
いそがしかったようだ。
会社の人事異動があって更にゴタゴタしていた。
新しく課長になったのだが、ストレスがあるという。

横になって見せていただいた。
足には冷えがある。
乾燥気味だ。
腹はやや力がない。
軽度の胸脇苦満がある。
胃の冷えもある。
頭が重たい。
さらに、みると気の流れがわるい。
ストレスが原因なのだろうか?

起きてもらって漢方を選ぶことにする。
その前に、何がストレスか聞いてみた。
すると、課長になったのは、昇進でいいのだが、
折り合いが悪い同僚が別の科の課長でいる。
その科とは付き合わないわけには行かない。
以前、彼から頼まれた案件を、ウッカリわすれていて、
それで怒らせてしまった。
こちらは謝ったのだが、根に持っているようにおもえる。
それがストレスだという。
確かに、左の肩に重たいエネルギーが入っている。
これがその同僚だろう。

さてどうするか?
謝っても無駄のようだ。
しかし、その同僚の好きなものがわかれば
そちらからアプローチもできるのではないだろうか。
そこでPTM易で聞いてみた。
問は「この同僚の好きなものは何ですか?」とした。
すると、「雷地豫」「風天小畜」「山天大畜」「天山遯」「地風升」が反応した。
雷地豫は、楽しいこと、娯楽、悦楽などを意味する。
その方は楽しいことが好きなのだ。
風天小畜、山天大畜は、多くのばあい肉を意味する。
だから、肉を食べるの好きな人。
天山遯は、ときに豚肉として出ることがあるので、特に豚肉が好きな人だろう。
地風升は、なにか?普通は、登る、進むなどを意味する。
そこでひらめいたのは、”一升瓶”、日本酒が好きな人ではないだろうか?
「その人は、肉が好きでないですか?とくに、豚肉とかどうですか?」」
  「大好きですね。以前は焼き肉とかに一緒に行きました。とんかつも昼ご飯にたべています。」
「日本酒も好きでないですか?」
  「好きです。銘柄にこだわっています。」
これで彼の好きなものがわかった。
彼の歓心を買うには、”串カツやトンカツなどとプラス日本酒”で接待すればいい。
そうすれば、仲直りできる可能性もあるだろう。
そのようにアドバイスして、漢方は花粉症に対して小青竜湯を処方して終わりと

コメント

●「地風升」は、昇る、上昇、進歩などを意味する。上ることなので多くはいい意味ででる。

●今回は「升」から日本酒の一升瓶が浮かんだ。そうすることにより、すべての卦が繋がってまとまりをもった意味の中に収まった。
PTM易では変爻をいじくり回すことをあまりしない代わりに、文字からもイメージをひろげて解釈していく。