”やりてのオバサン”
家庭でストレスが多いと言ってこられている方。
話によると、
妻に虐げられているという。
気が弱くて、奥さんの尻に敷かれている。
昔の言葉でいうと「かかあ天下」になっている。
働いて帰ってくると、妻がいるので気が重くなる。
でも、食事とか生活のすべてをたよっている。
お金の管理もすべて妻に任せている。
言いなりになるしかない。
それも、仕方ないと自分で言っておられる。
今回も、外来で愚痴を言われる。
なかなか、医学ではどうもしようがないので、
私も話を聞くのみになることが多い。
とりあえず横になって見せていただいた。
脚は痩せ気味で緊張がある。
食事は食べれているようだが、胃経がよわい。
腹はやや緊張がある。
ガスもすこしみとめる。
全体的に痩せ気味の体格だ。
更に見ていくと、
首がおもい。
考えることが増えているのだろうか。
妻以外に問題があるのだろうか?
仕事は特に問題ないと言っていたが。
起きてもらってPTM易でみてみた。
問は「この方の今の最大の問題は?」としてみた。
すると、「地水師」「風火家人」「雷天大壮」「天風姤」
などが反応した。
風火家人なので、やはり妻が問題なのか?
「奥さんは、更にキツくなっていますか?」
「いいえ、変わらないか、むしろ少し優しくなっています。」
風火家人は身内を意味すのだが、誰だろうか?
地水師は、ケンカなどの状態を意味する。
「それなら、奥さん以外の人でキツイひとはいませんか?喧嘩ぽい人とか?」
「オバサンが、怒りっぽくて、妻と仲が悪くなっています。」
それなら、これはオバサンだ。
このかたの父の妹に当たる。年は70代だろうか。
今回はオバサンが最大の問題になっている。
妻もオバサンも喧嘩っぱやい人だ。
その二人が喧嘩して、患者さんはオロオロして振り回されている。
雷天大壮からは、かなり押しが強い人、声が大きい人のように見える。
天風姤なので、これは女のやり手だ。
場合によっては男が太刀打ちできない女性だ。
この患者さんが困るのは、周りに強い女性ばかりがいるということ。
このような問題は漢方でどうしようもないが、ストレスに対して
抑肝散陳皮半夏などを処方して終了とした。
コメント
●「天風姤」は、遭遇、女難、不倫、など女性が関係するときによくでる卦だ。
●「天風姤」の卦辞に次のようにある。「姤、女壯。勿用取女。」(姤は、女壮んなり。女を取るに用うる勿れ。)つまり、女の力が強くて結婚するな、という意味だ。まさに、この方の状況を示唆している。