「風天小畜」症例4:20代女性

”獣のような甥”

他府県から来られているかた。
ときどき来られる。
今回は、さいきん腹を壊して下痢をするという。
痛みもあるという。
仕事は忙しくしている。
プライベートでも忙しくしているという。
食べる機会もおおいので、腹の調子が悪いのか?

横になって見せていただく。
足にはむくみがある。
胃経の突っ張りがある。
やはり食べ過ぎになっているようだ。
腹は胃の張り感がある。
下腹部のひえもある。
エアコンがきつい可能性もある。
気の流れは良くない。
どこかに停滞をかんじる。
胃のあたりではない。
むしろ肩のあたりがおもたい。
ストレスがあるのだろうか?
「ストレスはないですか?」
  「仕事はいそがしいけど、それほどありません。」
「家庭は?」
  「姉の子どもの面倒を見させられるので、困っています。」
姉はこの方のところによく来るようだ、
そして3歳になる男の子の相手を頼むらしい。
その間に自分は用事に出かけるという。

起きてもらって処方にかかる。
まず、フラワーレメディーのパネルでみると「ホリー」が反応する。
ホリーは怒り、などを意味するレメディーだ。
「腹が立ちますか?」
  「はい」
甥の面倒をみさせられて、自分の時間がなくなることに腹が立つという。
さらに、PTM易で見てみた。
「この件に関して、何が問題ですか?」と聞いてみた。
すると「風火家人」「風天小畜」「雷山小過」などが反応した。
家人は、親戚の人で、甥のことだ。
小過はこの方にとって、面倒を見るのが、少々負担になっている。
小畜は、小さく貯める、小さくブロックなどの意味だ。
でも、このケースでは違う。意味が通らない。
臨床では、”小さ畜生”という意味ででることが多い。
とすると、この男の子は”獣のように活動的”なのではないだろうか?
「甥御さんは、おとなしくしないんじゃない?」
  「そうなです、言うことも聞かなくて、走り回って。多動児です。」
これで意味がわかった。
野性的な多動の、聞き分けがわるい子供のイメージだ。
それの扱いに困っている。
これはあるていどお姉さんに言うしかないだろう。
漢方は平胃散を処方して終了とした。

コメント

●「風天小畜」は、少し貯める、蓄積、しばらく待つ、少しの障害などの意味で出る。

●臨床では、”小さな畜生”といういみで出ることが最もおおい。
この場合の、小さな畜生は、食べ物では鶏肉、豚肉などのことがある。
また、猫や犬などのペット、野生の動物、虫、魚などもカバーする。
さらに、ときどき”動物的な人間のこども”に相当することもある。