”虫も生き物”
2,3月に1回来てくれる方。
今回は調子は悪くない。
ただ、のどが変にイガイガする。
家の周りに黄砂がおおいという。
ときどき遠くの山が曇って見える。
咳もあるという。
横になって診せていただく。
足は胃経に軽度の緊張がある。
腹は張り気味でガスが目立つ。
喉はイガイガ感があるので
アレルギーだろう
皮膚もよくない。
黄砂があるとアレルギー反応もきつく出やすい。
さらに集中すると背中側に重たいエネルギーが入っている。
どうもながれがわるい。
最終てきにスッキリとながれない。
アレルギーのみでは話がつかない。
起きてもらってPTMで易を見てみた。
「背中に入っている重たいエネルギーは?」と聞いてみた。
すると「山風蠱」「風天小畜」「火沢睽」がでた。
風天小畜は”少し溜める、とどまる”という意味だが、
臨床では小動物のことがおおい。
とくに、鶏や豚の食べ過ぎで出ることが多いので聞いてみた。
「鶏とか肉がおおくないですか?」
「いいえ、ほぼ野菜ばかりです」
ちがう。
そこで更に考えた。山風蠱+風天小畜で「虫」ではなかいか?
「虫とか嫌な生き物はいませんか?」
「いるいる、ベランダの観葉植物に付いている。殺虫剤を買おうかと思っています。」
それだろう。それが問題だ。
すると、火沢睽は虫から顔を背けるということ。
毛嫌いするということを意味する。
どうしてこのような状況が重いエネルギーとなるのか。
虫も生き物で、理由があってその植物に付いている。
殺虫剤で皆殺しにするより、風通しをよくして
虫が嫌いな環境にして、お互いに共存を図るほうがいいような気がした。
その点を患者さんに話して、
今回は、小青竜湯などを処方して終わりとした。
コメント
●「山風蠱」は腐る、壊れる、内部崩壊、汚れるなどを意味する。
●この卦は臨床では病気がある時に出ることが多い。
●山風蠱が虫を意味することはいままですくなかった。今回は「蠱」の字そのもののを意味したのが、面白い結果だった。