「離為火」症例4:40代女性

”火と水の関係”

半年ぶりにこられた。
今回は腹痛があるという。
3日前から時々下痢をしている。
体がおもい。
腰の痛みもある。
内科にはかかっていない。
娘が当院に来ているので受診したという。

横になって診せていただく。
足はすこしむくみがある。
胃経の流れが悪いので胃腸には問題があるだろう。
腹は下腹の力がない。
腰もおもたい。
水が多い感じを受ける。
首がおもい。
さらに意識を集中すると
左の肩に重いエネルギーが入っている。
さらに冷たさを感じる。まるで氷のようだ。
これはなにだろうか?
人だろう。
「だれか気になる人はいませんか?」
  「娘と全然話をしない。部屋に閉じこもっている。」
「仲が悪いんですか?」
  「顔を合わそうともしないんです。」
最近、娘がまったく話そうとはしないという。
1月話をしていない.
複雑な理由があるのだろうか?
そこまで詮索できない。

起きてもらって投げ算木で易を立てた。
「後ろに入っているエネルギーは?」とした。
すると「坎為水」が反応。
これは娘さんの状態を意味するのだろう。
穴に落ち込んで部屋にこもっている。
そして氷のようにつめたい、ツララがあるように触ると痛みを感じる。
ついで、この方の状態を投げ算木でみてみた、
すると「離為火」がでた。
つまり、母が火で娘が水になっている。
火と水で相克の状態になっている。
これではうまくいかないだろう。
しかし、お互いに裏の卦は相手と同じになる。
この親子は全く反対のようで、
実はおなじ要素をもっているようにもおもえる。
易はかわるので、反転することがあれば
なんとか付き合えるようになる希望も感じた。
あるいは、間に「木」のような人や物を介在させると、
水→木→火になり、すこしはましになる。

今回は、抑肝散陳皮半夏を処方して終了とした。

コメント

●「離為火」は離れる、付く、などを意味する。

●臨床でも同様な意味で出ることが多い。

●今回は、「火」と「水」ということで相克の関係ででた。
「断易」ほどでないが五行の関係は易の解釈で役に立つ。