”損な立場でイラッとする”
高血圧とかで月に1回来てくれている患者さん。
降圧剤と漢方を処方している。
今回は顎の筋肉がこって噛み締めが強いと訴えがある。
緊張すると噛みしめる。
やることのプレッシャーで噛みしめるという。
そして頭痛も起こるらしい。
横になって診せていただく。
足はむくみと瘀血がある。
胃経の突っ張りがある。
食べ過ぎのようだ。
胆経も緊張しているので顎の緊張があってもいい。
胆経は側頭部にも分布する。
腹は瘀血がある。
膨満しているので食べ過ぎは明らか。
喉のつまり感もあるので、
イビキもあるかもしれない。
起きてもらってPTMで易を見てみてみた。
「身体の奥にある問題は?」と問いを立てた。
すると「天火同人」「地水師」「山火賁」「山沢損」などが反応する。
天火同人は4,5あたりが反応するので、知人とか同僚とか複数の人だろう。
地水師は内卦が反応するので、この患者さんがイラッとしている。
山火賁も内卦が反応する。これはこの方の怒りを意味するとおもわれる。
そこで聞いてみた。
「誰か、同僚とか、上司とかにイラッとすることはないですか?」
「学校の先生たちが勝手なことを言うので、イラッとさせられます。」
「先生ですか?」
「先生達の授業のアレンジとか、調節をやっているので。」
それなら理解できる。みんな勝手なことを言うのだろう。
山沢損は、この患者さんはアレンジ係なので損な立場にあることを示しているのだろう。
だからイラッとして腹が立つ。
イラッとすると気分が不安定になり、甘いものが欲しくなるので甘草湯と、
気分の高ぶりに対しては加味逍遥散を処方した。
コメント
●「地水師」は、戦い、喧嘩、争い、仲違いなどを意味する。
●臨床的には頻出する卦だ。あげるのもきりが無いぐらいに多い。単純に「ウクライナの戦争」「テニスの試合」とかででたこともある。
●この例のように、同人と一緒に反応すると知人・同僚との仲が問題、家人と一緒に反応すると家族・親戚との仲が問題、などとわかる。