「風雷益」症例2:40代女性

”貢いで相手は益”

初診の方。
口コミで来られた。
両方の耳に耳鳴があるという。
10年前からで耳鼻科に行っても良くない。
聴力も少し低下しているらしい。
耳いがいの神経の問題はない。
内科では降圧剤のみのんでいる。

横になって診察する。
足は肝経のながれに何かギザギザ感がある。
スムーズな流れでない。
冷えもある。
痩せ気味の足。
腹は膨満。
体形は小さい割には腹が膨満しているので
食べ過ぎとおもわれる。
下痢もときどきあるらしい。
首の流れがわるい。
頚椎4番の左で滞っている。
これは、耳鳴に関係しそうだ。
さらに意識を集中すると、左後ろの空間で割と遠くから
重たいエネルギーをかんじる。
でもそれほどきついものではない。
これは何か?

起きてもらってPTMでバッチフラワーレメディでみてみた。
すると「ウイロウ」が反応する。
ウイロウは、”被害を受けて怒りがある”人ででる。
そこで聞いてみた。
「何か、人にやられて腹が立つことはないですか?」
  「ある、ある、女に振られた。」
「えーっ、それで腹が立つ?」
  「そう、数百上げたのに。物も上げたし。冷たい女だ。」
それなら腹が立つのは当然だろう。
でも相手から来ているエネルギーは小さい。
それよりもこの方から相手に行っているエネルギーが大きい。
この方が未だに腹が立っているから、相手にまだつながっている。
相手はすでに切ってもいい状態になっているのに。

試しにPTMで易を見てみた。
「相手の人の状態は?」と聞いてみた。
すると、「雷水解」「風雷益」がでた。
風雷益は”利益”などを意味する。
雷水解は”解散、解放”などを意味する。
つまり、その女性は、利益を得て、男性から解放されたので、これで終わりだと思っている。
つまり、相手は冷たくてアッサリしている。
男性は損をしたので今だこだわっている。
それが首の流れを悪くしている感じがある。
できるだけ恨まないようにすることをアドバイスして、
漢方は八味地黄丸を処方して終了とした。

コメント

●「風雷益」は利益、有益、公益、役立つ、儲け、増えるなどを意味する。

●臨床的には「自分は損だが会社は儲かっている」「上司を益すること」などで出たことがある。

●風雷益と山沢損はひっくり返すと綜卦の関係にある。つまり相手が得すればこちらは損をするかんけいだ。この関係は、変転するので、損得にこだわると動きがとれなくなる。