「地沢臨」症例2:50代男性

”変化に臨む”

月に1回来てくれている方。
前回の喉のイガイガ感は減少したが、まだ少し残るという。
首の重たさは依然としてある。
最近寝汗が出てきたという。
気温の変化がきついらしい。
忙しさはあいかわらず変わらない。
イライラもあるようだ。

横になってもらって診せていただく。
足はむくみがある。
肝経の緊張があるのでストレスもありそうだ。
腰も重たい感じを受ける。
腹は胸脇苦満をみとめる。
脇はすこし汗ばんでいる。
太淵に鍉鍼を当ててさらに見ていくと、
喉につまり感がある。
首のうしろ、頚椎の3番あたりが流れが悪い。
忙しいから仕方がないのかもしれない。

起きてもらってさらにPTMで易を見てみた。
すると「天水訟」「天火同人」「水天需」「地沢臨」などが反応する。
天水訟と天火同人は外卦が反応するので、上司からの要求だろう。
上司からの要求、命令が多いように思える。
「上からの要求とかおおくないですか?」
  「多いですね、それでストレスになる。」
でも同時に「地沢臨」がでる。
この卦は割と良い卦だ。
なぜなら消長卦で次には「地天泰」に移っていく。
地天泰は安定を意味して良い卦の一つだ。
また「水天需」もわるくない。何かを”待っている”象だ。
そこで聞いてみた。
「なにか変化を待つ状態ですか?わりと良いことがある?」
  「そうですね、部署が変わるかもしれません。今度はもっと落ち着いたところに移動になりそうです。」
とするならば、この卦の意味はそれでいい。
仕事環境は良い方向に”臨んでいる”といえる。
今回は漢方は、イライラにたいして抑肝散陳皮半夏を処方して終了とした。

コメント

●「地沢臨」は臨む、光臨、君臨、見下ろす、面する、進展するなどの意味がある。

●臨床的には「難問に直面」「いろいろなことに対応」「春の時期」などで出たことがある。

●基本的にはこの卦は次に「地天泰」に移るので良い卦といえる。伸び調子かつ安泰に向かっている。