”認められなくて我心痛む”
毎月来ていただいている方。
夜間尿はユリーフでよくなっている。
冷えも漢方でよくなっている。
今回は、調子はいいと仰る。
でも、私が見る限り首がおもい。
後ろの首が重くて熱をもっている。
そこで横になってもらって診察させてもらった。
足は肝経の突っ張りがある。
冷えは改善しているがまだ残っている。
腎虚もすこしありそうだ。
腹は、食べ過ぎはへっている。
わるくない。
でも意識を集中すると、
首がおもいたい。
また目もおもたい。
目のショボショボ感がある。
「目がしんどくないですか?」
「そうですね。」
そこで、起きてもらってさらに易で見てみた。
「身体の奥の問題は?」と聞いてみた。
すると「天水訟」「山火賁」「火天同人」「雷天大壮」「水風井」などが反応。
天水訟と山火賁だから、多分、言いたいことがあり腹が立っている。
そこで聞いてみた。
「なにか、イラッとすることはありませんか?」
「そうですね、契約を終わりにされた。」
「何で?」
「頼まれたシステムをプログラムで作ったんですが、気に入らないんでしょうね。」
「え~っそうですか。相手は?」
「大手の会社です。」
それならば、雷天大壮は相手の会社のことだろう。
大壮なので名のしれた大きな企業だろう。
水風井が気になった。この卦は3爻が反応したので、爻辞をみてみた。
すると「井さらえども、食らわれず、為に我が心痛む。用て汲むべきに。」とある。
つまり、努力してシステムを作ったのだろう。
それは、井戸をさらえるように、細かい作業の繰り返しだ。
最終的にバグもなくなりきれいになったのだが、相手は認めてくれなかった。
それで口惜しく、腹立たしくなっている。と、読めた。
さらに、爻辞は続く。
「王、明ならば、並びにその福を受けん。」
大手の企業が聡明だったなら、お互いに利益を得たであろうに。
会社側の担当者がそれほど利口でなかったのだろう。
残念だが、しかたない。
患者さんも、水風井の爻辞に感心してくれた。
「当たるもんですね。」と言ってくれた。
今回は、イライラに対して抑肝散陳皮半夏を処方して終わりにした。
コメント
●「水風井」は養う、尽きない、清潔、繰り返す労働、などの意味がある。
●臨床ではこの卦はあまりでない。「実家の土地の問題」とかででたことがる。
●私の例で恐縮だが、以前歯科にいって欠けたインレーを再接着してもらったときに、頭の中で卦を立てたら、「水風井」4爻がでた。後で爻辞をみると、「井戸の内側に甃を張りつめて修繕する。咎なし。」とあった。ちょうど歯の修理をするイメージに合致した。