「水沢節」症例2:40代女性

”節度なく飲む”

頭痛で通って来られている方。
トリプタンの頭痛薬でコントロール良好。
2カ月ぶりに来院された。
薬がなくなったという。
天気がわるいと時々頭痛がおこる程度。
くすりは少量でも効くという。

横になってもらって診せていただく。
足はむくみがある。
腹は膨満気味で重たい。
お菓子の食べ過ぎのように思う。
太淵に鍉鍼を当てて意識を集中すると、
通りがいい部分と悪い部分がある。
通りがいい部分は上の方からエネルギーが降りてくる。
これは多くは神様系のものだ。
そこで聞いてみた。
「どこか、神社とかにいかれましたか?」
  「先週、奈良のN神社にいきました。」
N神社にはR神様をお祭りしているのでそのエネルギーが入ってきている。
よいエネルギーが入ると体が楽になる。
頭がスッと気持ちよくなる。

しかし、問題は別の重たいエネルギーのほうだ。
更に意識をそちらに持っていくと、
後ろの肩あたりに遠くから入っている。
これはなにか?
多分人間だとおもう。
「誰か、気になる人はいませんか?嫌な人とかどうですか?」
  「今、姉が気になっています。東京に住んでいるんですが。」
話によると、最近兄弟が折り合いが悪くなっているという。
ちょっとしたことで、姉は文句を言うらしい。
以前はそれほどでもなかったらしいが。
だから、あまり付き合わないようにしているという。

起きてもらって、PTMで易を見てみた。
「二人の問題点は?」と聞いてみた。
すると「天水訟」「水地比」「天地否」「水沢節」
などが反応した。
天水訟はお姉さんから苦情、文句などがおおいことを意味する。
水地比は内卦が反応するので、患者さんが姉と仲良くしようとしていることを意味するのだろう。
でも、天地否の外卦が反応するので、姉はそのことを否定して、仲良くしようとはしない。
水沢節は節度、節制をいみするが、これは何だろう?
「お姉さんは、なにか節度ない人ですか?」
  「確かに、お酒をたくさん飲んで、やめれないようです。」
ということは、これはお姉さんの問題点だ。
節度がない点が二人の関係性に悪影響しているのだろう。
とりあえず、今までの操作で気の流れは改善した。
今回は、抑肝散陳皮半夏を処方して終了とした。

コメント

●「水沢節」は節制、節度、調節、区切り、倹約、制限、わきまえる、などを意味する。

●臨床的には「節度がない」、「節制できない」などの意味で出ることがおおい。

●患者さんに入るエネルギーを見ると、上からのものは神仏など良いものがおおい。