「火風鼎」症例2:50代女性

”食べるのも作るのも”

初診の方。
2月にコロナになり、咳が残ると言ってこられた。
当院に来ている患者様の紹介。
また、手足の皮膚が痒いという。
皮膚科はいっていない。
コロナの後は内科も受診していない。

横になってもらい診察する。
足はむくみがある。重たい。
胃の経絡も張っている。
関節が固くなっている。
食べ過ぎの疑いがある。
腰は固くて瘀血をうたがう。
腹は、やはり、食べすぎて重たい。
下腹に瘀血がある。
さらにみていくと、のぼせもあり肩こりもある。
気が上りやすいようだ。
食べすぎると熱量が増えるので熱くなる。
食べすぎると肝臓が処理できなくなり皮膚に出やすい。

起きてもらって投げ算木で易を見てみた。
「身体の奥の問題は?」と問いを立てた。
すると「火風鼎」がでた。
火風鼎はわかりにくい卦だ。
”改変、祭祀、料理、支える”などを意味する。
この方の場合は多分”料理”が問題なのだろう。
もっと確認するために、PTMで易を見てみた。
すると、「水天需」「天火同人」「雷天大壮」などが反応した。
水天需も料理を意味することが多い。
とくに天火同人といっしょに出ると、人との外食が多いことを意味する。
また雷天大壮はたくさん食べるひとでよく出る。
すると、改めて「火風鼎」は何だろうか?
おそらく、自分で料理を作るのも好きな方だろう。
そこで聞いてみた。
「食べに行くのが好きですか?」
  「はい。お友達と結構行きます。」
「料理を作るのもすきでないですか?」
  「よくわかりますね。お友達を呼んでいます。」
これですべての卦の意味がわかった。
食事に関すること、食べること、作ること全般が好きなのだ。

今回はすこしカロリーオーバーになっていることを注意して、
漢方は桂枝茯苓丸加薏苡仁を処方して終了とした。

コメント

●「火風鼎」は、改める、料理する、祭り事、相続、支えるなどを意味する。

●臨床ではあまりでない卦だ。以前は「先祖供養」「祭り」「月着陸探索機」などで出たことがある。

●算木では一つしか卦がでないので、そこから意味を推測することが難しいことがある。そのときには、続けて易のパネルを使ってPTMで反応する卦をみればよい。