「天沢履」症例2:30代男性

”土地に敬意を”

毎月来ていただいている方。
今回は足がむくんでだるいという。
それに体調がすぐれない。
理由がわからないがスッキリしないという。
喉が乾燥してイガイガがあるという。
農業を主にやっている方なのでホコリとか、
黄砂の影響を受けている可能性がある。

そこで横になってもらい診ることにした。
足は確かにむくみがある。
少し冷えもある。
腹は力がよわい。
水がおおいかんじだ。
水分をたくさん飲んでいるのだろう。
喉がつまる。
イガイガ感がある。
やはり黄砂だろうか。
でも、それにしては気の流れがわるい。
頭が重たい感じがある。
太淵に鍉鍼を当てて意識を集中すると、
この方の下の方から変なエネルギーを感じる。
下からくるエネルギーは土地の事が多い。
土地が問題か?
農業をやっているので、その点が気になる。
そこで聞いてみた。
「最近、畑とか庭とかでなにか問題はないですか?」
  「果樹園で水路の工事がはじまった。」
それが問題かもしれない。

起きてもらって投げ算木で易を立たてみた。
「畑に関して何が問題か?」としてみた。
すると「天沢履」「天水訟」が反応した。
これは、天水訟なので、ひょっとして畑が何かを訴えたいのだろう。
何をいいたいのか?
天沢履は”礼儀、敬意”を表す。
すると、工事をしている人たちは土地に対して礼儀を欠いているのではないか?
それに対して畑が文句をいいたいのだろう。
「工事の業者さんはどうですか?うるさい?」
  「騒々しいですね、機械で掘り起こして、やり方が雑ですね。」
「当然、地鎮祭とかしないですよね?」
  「建てるのでないのでしないでしょうね。」
だんだん、患者さんの気の流れが良くなってきた。
やっぱり、土地の影響だ。
患者さんは農業をやっているので、土地に対して敬意があり、よくわかっている。
ところが業者は礼儀がない。
これが問題なのだろう。
患者さんは、畑に対してお酒と塩で清めてみる、とおっしゃった。
漢方は酸棗仁湯を処方して終わりにした。

コメント

●「天沢履」は礼儀、尊敬、敬意、などを意味する。

●臨床では「上司に礼儀がない」「無礼な人」「礼儀を尽くせ」などで出ることがあった。

●土地にはエネルギーがあり、雑に扱われると不快感を表明する。昔から家を立てるときには地鎮祭をするのは意味がある。動物、植物にも同様にエネルギーがある。土地とか動植物のエネルギーは下の方から来るような感じをうける。