「風水渙」症例1:40代女性

”アッという間のアルバイト”

  半年前から来られている方。最近は、割りと調子がいいと、おっしゃる。でも横になってもらって診ると、気の流れが悪い。
どうしてか?と思い、診察しながら、「ストレスはなにかない?」と聞くと。少しからだが落ち着いたのでアルバイトに応募したという。花屋さんのバイトをはじめたらしい。

でも、立ちっぱなしで足が疲れて冷えるし、植物の名前を覚えなければならないし、お客の対応も全部まかされたので、荷が重くなって1週間でやめたという。結局5回しかいっていないと。それでも、相手方は怒っていない。

ストレスの原因はわかったのだが、本当にそうかどうか気になって、椅子に座ってもらって、「この方の問題点は?」と「PTM易」で易に聞いた。
PTM易で見ると、「風水渙」が最も強く、他に「地雷復」、「山水蒙」が反応した。

「風水渙」は、「風で吹き飛ばす、散らす」という意味があるので、この方のアルバイトの試みはアッという間に”吹き飛ばされるように”終わったということを意味する。
そして、「地雷復」がでているので、もとの家庭の主婦の状態に戻ったということ。「山水蒙」は最初の見通しが甘かったことを意味するのだろう。

だから患者さんが言っているストレスの原因は正しかった。(ときどき、患者さんがストレスの原因と思っているのとは、別の要因が原因となっていることがあるので注意。)
でも、風水渙だからストレスもアッという間に終わって、精神状態もすぐにもとに復帰(「地雷復」)するだろう。だから、漢方でもストレス対応の漢方は必要なく、「当帰建中湯」をPTMで選び、処方した。

コメント

●「風水渙」はそれほど、外来の現場では遭遇しない。他の症例では、水をさす、白けさせる、失恋、失敗というような意味で出たことがある。
 また、順次アップしていきます。