未濟、亨。小狐汔濟、濡其尾。无攸利。
未済は、亨る。小狐汔んど済らんとして、其の尾を濡らす。利ろしき攸无し。
びせいは、とおる。しょうこほとんどわたらんとして、そのおをぬらす。よろしきところなし。
象意(意味する所)
■陽爻が陰のくらいにあり、陰爻が陽のくらいにあり、すべてが不正に位置するので、未だ済まずとなる。上の火はさらに上にのぼり、下の水はさらに下がるので、相容れない、いつまでたっても煮炊きできない、故に未済。
■裏卦が「水火既済」であり、オセロのようにひっくり返ると「既済」になる可能性を秘める、だから「未済」。しかし反転するには超えるべきポテンシャルが高い。
■未完成、未熟、準備不足、整わない。
■64卦最後の卦。更に巡って最初から始まる。終わりであって終わりでない。窮まりがない。
クリニカル易占でのポイント
●臨床的には、準備不足、終わっていない、未完成、などの意味で出る。
●以前には「仕事が終わっていない」、「支払いが済まない」などのときにでた。
●「死んだ人を思い出して、亡くなったと認めない(本人の中では未済)」ときにも、この卦がでた。