「風水渙」症例2:中学生女子

”「風水」の害”

頭痛が小学校の時からあると言って母親とこられた。
ふらつきも多い、耳鳴もあるという。
頭痛の頻度は週に3回でおおい。
学校はなんとか行けているが、
天気が悪いと休むこともある。
不眠があり、嫌な夢をよく見る。
多くは掴まれてどこかに引きずり込まれる夢。
ストレスもあり、去年は心療内科に通ったこともある。
兄弟がいるが兄は特に問題はない。
頭痛外来に行ったことがあるが、良くならなかったと言う。
当院は別の患者さんの口コミで来られた。

中学ぐらいから片頭痛は発症するので、普通の片頭痛かと思い診察にかかる。
横になってもらって、見ていく。
足は緊張がある。
触るとビックと反応があるので過敏なのがわかる。
むくみと瘀血もある。
腹は、はやり過敏性がある。
胸脇苦満もみとめる。
太淵に鍉鍼を当てて意識を集中すると、
頭が重いのが伝わる
左の肩がおもたい、エネルギーが入っている。
さらに意識を集中すると、足の下の方から、地下の方から嫌なエネルギーが来ているのがわかる。
それも、多数のエネルギーだ。
これは何だろう?
重苦しいし、下から掴まれている感じがある。
一般的に生きている人からのエネルギーは水平方向から来る。
先祖は上からくる事が多い。神も上からだ。
下から来るのは、動物とか小さな物だ。
でもこの方の場合は地下の方から来ている。
なんだか気持ち悪い。
死んだ人で地下に残っている人なのだろうか?

起きてもらって。易で検討した。
手元にある、小さな投げ算木で卦を組み立ててみた。
「何が問題か?」と聞いてみた。
すると「風水渙」が出た。
風水渙は”吹き飛ばす、散る、悩みが消える”などの意味がある。
でもこの方の場合は、意味がとれない。
わからないので、さらに64卦のリストをつかってPTMで見てみた。
すると、「天水訟」「天火同人」「沢水困」
「風水渙」などが反応した。
それもすべて地下3爻で反応する。
初爻の下で反応するときは、死んだ人に関係する何かだ。
それも地下3と深いのでかなり昔と思われる。
「天火同人」の地下=死んだ人たちが、「沢水困」の地下=閉じ込められて困って、
そして「天水訟」の地下=何か地下から訴えている。
と、解釈できる。
ここで「風水渙」は何か?としばらく考えて、フット思いついたのが、
「風」に吹き飛ばされて、「水」に流された、つまり風水害の被害ではなかろうか?
昔、多くの人が流されて亡くなった可能性がある
おそらく、住んでいる土地にそのエネルギーが残っていて
この患者さんは過敏なので影響を受けている可能性がある。
少々の憑依霊は外来でとれるのだが、
地縛霊は土地につくので外来では取りにくい。

患者さんには、近くの神社で清めの塩をかって家の周りに撒くようにと伝えた。
頭痛に対してバルプロ酸と漢方では五苓散を処方して終わりとした。

コメント

●「風水渙」は吹き飛ばす、散る、散逸、分散、散乱、バラバラなどの意味がある。

●臨床ではそれほど出ない卦だ。以前には「話に水を掛ける」「仕事をすぐに辞めた」とかで出たことがある。

●この卦は悩みが吹き飛ばされるなどの良い意味のときと、一家離散、会社が解散とか悪いいみのときの両方がある。

●「巽為風」は忍び込む、従順とかの意味があり、それほど力があるとは思えないが。「坎為水」の険難、峻険の卦が加わると、甚大なエネルギーを発揮する。「風水害」とは良く言ったものだと思う。

●初爻の下を私は「地下_爻」と言っている。死んだ人や前世が関係する。

●地縛霊の浄霊は僧侶などの専門家に頼むのがいいとは思うのだが、簡便な方法としてお砂を撒く方法をアドバイスした。以前、自殺者が出たマンションでその後から嫌なことが頻発するといっていた患者さんに、敷地のまわりにお砂を撒くことを勧めたら、そのような現象が消失したことがある。