”仕事が遅い”
半年前から胃腸の調子が悪いと行ってこられた。
よく下痢をする。
腹が張ってゲップもでる。
夜中に腹痛で目が覚めるという。
消化器内科にいったが良くならない。
胃カメラで軽度の慢性胃炎のみ。
ビオフェルミンを処方されたが効かない。
横になって見せていただく。
足は、かかと、膝などの関節がすべて硬い。
胃の経絡が突っ張っている。
これは典型的な食べ過ぎだ。
更に、腹をみると、膨満がある。
胃の停滞がある。
肝臓は腫れていて脂肪肝だ。
胃腸の問題は食べ過ぎを減らせば、自然とよくなるだろう。
「これは、食べ過ぎですよ。脂っこいものが好きでないですか?」
「はい。好きです。」
「お肉は多くないですか?」
「毎日食べます。」
「肉は減らしてくださいね。そうしたら、胃腸はすぐに良くなりますよ。」
「はい。」
と、行った瞬間に、気が流れ始めた。
あるていど、重たいのはとれた。
でも、半分ていど停滞がのこっている。
おそらく別に原因があるのだろう。
そこでさらにみていくと、
頭ががおもたい感じがする。
なにか、別の人からエネルギーをもらっている可能性がある。
そこで起きもらってPTM易で見てみた。
問は「流れが重い原因は?」としてみた。
すると、「天水訟」「天火同人」「山火賁」「雷天大壮」「風山漸」などがでた。
天火同人は、身内以外の人だ。
天水訟は、なにか文句や苦情があること。
山火賁は、怒があること。
雷天大壮は、口やかましいこと。などを意味する。
そのような人が周りにいそうだ。
「誰か、口やかましくてうるさい人で、怒っているような人がいませんか?」
「います。お客さんで、うるさいのがいます。」
「何で怒っているんですか?」
「うちの仕事が遅いと言って怒っています。本当は、向こうが前もって準備をしっかりしてくれていなかったからで。怒る筋合いはないんですが。」
患者さんの口ぶりにも怒りがこもる。
なんだか、お互い怒っているようだ。
これで、風山漸の意味がわかった。
風山漸は、ゆっくり進むという意味なので、仕事の進捗が悪いことを意味している。
漢方は、五積散と抑肝散を処方して終わりとした。
コメント
●「風山漸」は、ゆっくり進む、徐行、だんだん、徐々に、順を踏んで進むという意味がある。
●進みが速いのは「火地晋」「地風升」などがある。
進みが遅いのは「風山漸」で、
進まないのは「水山蹇」「坎為水」「沢水困」などがある。