”いつもの発作”
何かあると来てくれる方。
今回は、胸がくるしい、呼吸がくるしいと言って来院。
喉が詰まるらしい。
さらに話をきくと、1時間前に80歳の母が調子が悪くなり
救急車で病院に運ばれたようだ。
それから胸が苦しくなった。
母は、ショートステイで介護施設に短期間入所中だったらしいが、
今日になって、呼吸が苦しくなり助けてくれと叫んだので
施設で救急車を呼んだようだ。
母の方には、患者さんの息子が病院に行っているという。
患者さんは自分が苦しくなったので、自分で当院に来たようだ。
ストレスによる反応かもしれない。
そこで横になり見ることにした。
足には緊張がある。
腹も緊張している。
食べれているので力はある。
やや膨満気味。
顔の表情は苦悶状だ。
さらに意識を集中すると、確かに喉が通りが悪い。
でも、心臓が苦しいほどでもない。
起きてもらって、投げ算木で卦を組み立てた。
母の病気が問題であるのは明らかなので、問いは
「母の状態はどうなるか?」としてみた。
すると「雷風恒」が反応。
雷風恒は”恒に、変わらないこと”を意味する。そこで
「いつも救急車で運ばれることがあるんですか?」と聞いてみた。
「施設にいたのでそうだけど、家だったら私が看病して、なだめて元にもどるんです。」
「こんな発作は家ではよくあるんです。」
あーっ、そうか、息苦しい発作が「恒」なんだ。
この患者さんも母の発作に慣れている。
でも今回は、施設のことなので状況がわからない。
だから心配になったようだ。
でも卦からすると、心配ないだろうと判断できる。
患者さんには大丈夫だろうといって、
漢方は甘草湯と酸棗仁湯を処方して終わりにした。
コメント
●「雷風恒」は、恒常、恒久、不変、一定、などを意味する。それほど臨床では出ない卦だ。
●いままで、「いつもの状態でなくなった」「変化がないのが困る」などででたことがある。
●今回は、「雷風恒」の変爻の3爻が変化すると「雷水解」になる。だから病院からはすぐに「解放」されるだろう。