「雷水解」症例3:50代男性

”結婚からの解放”

月に1回程度の割合で来てくれている方。
今回は比較的調子がいいという。
糖尿に対してインスリンを他院でつかっている。
コントロールは良好だという。
腎臓の機能も安定している。
心臓からの息切れもへっている。
食事に注意して、体重も2kg減ったという。
しばらく休んでいた、会社にも出勤し始めた。
それは良かったと思う。

横になって見せていただくことにした。
足は、緊張があるが筋肉がつき始めている。
運動もしているようだ。
腹は水が多いものの、流れはわるくない。
首のつまり感が少しあるがひどくはない。
以前にあった重たい感じが取れている。
更に集中すると、1月前にあった重たいエネルギーが薄れている。
以前は、離婚裁判中の奥さんのエネルギーが入っていた。
離婚裁判は2年以上続いているらしい。
今回は誰からきているのか?
奥さんにしては小さいエネルギーだ。

起きてもらってPTM易で見てみた。
「後ろに入っている物はなにですか?」としてみた。
すると、「天水訟」、「雷地豫」、「風火家人」、「地火明夷」、「雷水解」が反応した。
家人なのでやはり奥さんの可能性が強い。
訟があり、離婚裁判になっているというのと合致する。
さらに、明夷は、暗い、正しいことが通らないことなどで、これも裁判の象だ。
でも、エネルギーは軽くなっている。
ひょっとして、裁判は終わったのだろうか?
思いきって聞いてみた。
「離婚裁判はどうなっていますか?」
  「終わりました、和解で折り合いがつきました。ホッとしました。」
それでわかった。。
雷水解は解決をいみする。
雷地豫は芽が地中から出た象で喜びを意味する。
とにかく、もつれていた裁判が終わって、両者ともホッとしている。
相手の奥さんのエネルギーもひどくないので、妥協すべきところで落ち着いたのだろう。
患者さん本人も、気の流れが良くなって、安定してきている。
漢方は、防已黄耆湯を処方して終わりとした。

コメント

●「雷水解」は、解放、分解、解決、解きほぐす、などをいみする。

●臨床では時々、だらしない人の意味で出ることがある。

●最近の症例で、”事故に遭ったバイク”が「雷水解」ででたことがある。「雷」は動く、車で、「水」は危険、リスクで、”危険の上を車が移動している”イメージだ。もちろん、雷水解の卦のみからはこのような解釈はでない。患者さんの状況、話のないよう、気の流れ、のすべてを総合してこのような解釈に至った。