頑張るのは今でしょ
すでに税理士として開業しているかた。
仕事は流行っていて、割と忙しくやっている。
当院には肩こり、頭痛、目の疲れなどで来られている。
今回は、1カ月前から夜にトイレに行くようになったと言って来られた。
早速横になってもらって診ると、足の冷えがある。
更に、腹をみると、腰の冷えも感じる。
たぶん腎が冷えてきたので夜間尿が出てきたのだろう、と推測する。
腹診では少し水がおおい。
喉が乾燥するので水分も多めに飲んでいるのだろう。
同時に疲れも感じる。
「疲れないですか?」と聞くと、「忙しいので疲れています」と答える。
気の流れはいつもよりおもたい。
疲れだけではないだろう、多分ストレもあるのだろう、と推測する。
起きてもらって、椅子に座ってもらい、PTM易で「気の流れの悪い原因は?」と聞いた。すると「水雷屯2爻」が反応。
「水雷屯」なので、”なにかやろうとして、なかなかものにならずに苦労している状態”を思い浮かべた。
そこで「なにかやろうとして、苦労してませんか?」と尋ねた。
すると、「そうなんです、社労士としてもやろうとして、準備中なんです」とおっしゃる。
患者さんがいうには、スゴイことには、税理士に加えて社労士の資格ももっているので、ダブルライセンスで事務所の門戸を広げようと考えているみたいだった。
でも、日常の業務が忙しすぎてなかなか思うように準備がすすまないと言う。
しかし、「屯」は産みの苦しみなので、努力すれば芽が出るはず。いまは、2爻で土の中にいても、もうしばらく努力すれば、地面から出れる(3爻)だろうと、患者さんに説明した。
患者さんも、易の結果に勇気づけられたのか、忙しいなかでも頑張っていこうとあらためて決意を語ってくれた。
今回は、疲れに当帰建中湯をPTMで処方して、冷えを取るためにさらに附子末を加える処方として、終了とした。
コメント
●「水雷屯」は一言でいうと「産みの苦しみ」を意味する。臨床では、最初の困難、学校について行けない、子育ての問題などが出ることがあった。
●屯は”最初の苦労”なのでそれほど悪い卦ではない。最初の苦労なくして、最後の大きな成功もないからだ。
●この患者さんのように、2つの資格でやっていこうと、人以上に努力している方を、易神は見捨てたりしないので、屯の卦を出して励ましたようだ。