「水沢節」症例3:40代女性

”膝関節が問題”

2月ぶりに来られた方。
何か問題があると来てくれる。
今回はフラフラがあるという。
ひどいめまい感ではなく、
起きたときとかにすこしフラッとする程度。
すでに耳鼻科には通っている。
フラつきの他に手のこわばりがあるという。
両方の肩も、手首も少し痛い。
患者さんはリウマチを心配している。
でも見ても関節の腫れはない。
いわゆるスクイーズテストも陰性だ。

スクイーズテスト(日経メディカルより)

以前は整形外科に通っていたが最近は行っていない。
整形ではリウマチは指摘されていないようだ。
ときどき膝の水を抜いてもらっていたという。
水を抜いても痛みは変わらないので最近は行っていない。

横になって見せていただく。
足はムクミがひどい。
特に両足の膝から下のムクミが目立つ。
水が多いのだろうか?
水が多いとめまいも起こりやすい。
太ももの筋肉の痩せがある。
あまり歩行していないのだろう。
腹はやや膨満。
やはり水が多い印象がある。
頭はすこしボーっとしてのぼせている。
下半身がひえて上半身に熱がこもる。

起きてもらって処方を考えることにした。
その前にリウマチが気になったので、
PTM易で見てみた。
問は「リュウマチはありますか?」としてみた。
すると、「水山蹇」「水沢節」が反応。
両方とも2爻が反応した。
水山蹇は足萎えだ。進めない人、歩けない人を意味する。
すると、手ではなくて足が問題なのではないか?
2爻なので膝に対応する。
「手より足のほうがキツくないですか?」
  「坂道とか階段はつらいです。」
水沢節は、節約、節度、節制などを本来意味するが、
節=関節でも良い。それに2爻なので膝関節に対応する。
「膝はかなり悪くないですか?」
  「いま治療をしていないので悪いです。」
リウマチの可能性もあるかもしれないが、
いま問題となっているのは、おそらく変形性膝関節症だろう。
そこでもう一度信頼できる整形外科にかかることを勧めた。
漢方は桂枝茯苓丸加薏苡仁、防已黄耆湯を処方して終わりとした。

コメント

●「水沢節」は節度、節約、節制、節目などをいみする。臨床では節度を守れない時によく出る卦だ。

●今回は、単純に「節=関節」と解釈した。このように単純に解釈して当たることもある。

●爻の人体への対応は、以前にも書いたことがあるが、大まかに、初爻=足、2爻=膝、3爻=股、4爻=腹、5爻=胸、6爻=頭、となる。これもおおまかな対応なので場合場合で考えないといけない。