症例1:40代女性
花粉症とか腰痛、疲れで時々当院に来てくれている人。
今回は、忙しくて疲れているといって来院された。
会社のしごとも忙しいし、旅行とかでも忙しいという。
やることが多いという。友達に誘われれば出かけるという。
だからやることが多くなる。
この1週間前から東北方面に旅行に行って帰ってきたばかりらしい。
旅行でもつかれがあったという。
早速、横になってもらって診察した。
足はむくみ気味で軽い内熱がある。
膝の関節はすこし曲げにくい。
関節がむくんですこし曲げにくくなっている時には食べすぎが多い。
腹を診ると、やはり食べすぎ気味だ。
胃の上に脂肪が蓄積している。
この場所はお菓子などの甘いものを多く食べると貯まりやすい。
肝臓のうえにも少し脂肪がふえている。
この場所は肉とか脂肪とかを多く摂ると貯まりやすい。
目がすこしおもたい。
軽いノボセがある。
気の流れはわるくないが、スカッとはしない。
患者さんに、聞いてみた。
「食べ過ぎじゃないですか?お菓子とか、甘いもの?」
「旅行に行ったので」、(それもそうだ、旅行に行くと食べ過ぎる。)
「よく行くんですか?」
「誘われるので、よく行くんです」、(付き合いが多いのだろう。)
「仕事に戻るのがしんどくないですか?」
「はい、そういうこともある。」、(仕事への切り替えが難しいのかもしれない。)
気の流れはそれほど良くないので、起きてもらってPTM易をしてみた。
問は「何が問題か?」と立ててみた。
すると、「水地比」、「天火同人」、「沢風大過」、「水沢節」が反応した。
「水地比」は、”仲が良い”ことを意味する。
また「天火同人」は、”友達、同僚、同級生”などの周りの人を意味する。
この2つで、”友達付き合いがよい”人であることがわかる。
友達と仲良く付き合うことに価値を置いている人のようだ。
さらに”過剰”を意味する「沢風大過」が出たので、おそらく”付き合いが多すぎる”のだろう。
それが、問題のようだ。
おまけに、「水沢節」が出たので、”自制”ができない。
「水沢節」は”節度、節制、制限”などを意味するからだ。
そこで聞いてみた。
「誘われたら、ダラダラと付き合っていませんか?」
「そういえば、断らないし、全部付き合っている」
「仕事とか、他のことに支障があるのではないですか?」
「時々、困ることがある」と答えた。
更に聞いて、わかったことは、この患者さんは人付き合いがとてもいい人で、誘われた断らないし、ダラダラと付き合ってしまう。さらに、日常でも、制限なくダラダラと甘いものを食べてしまうことが多いようだ。
付き合いとか、食べることに、適度の制限を設けることが必要のようだ。
患者さんにはその点をアドバイスした。
漢方は、疲れにたいして「補中益気湯」、食べ過ぎに対して「五積散」を処方して、今回は終了とした。
コメント
●「水沢節」は、節度、節制、節約、制限、などを意味する。臨床ではそれほど多くでない。以前「稼いだお金はすべて使ってしまって節約ができない」人に出たことがある。
●「水地比」、「天火同人」、「沢風大過」の3つは別にアップしているので見てください。
●漢方の「五積散」は、食べすぎて関節が動きにくくなっている人に使うことが多い。