”行くところがない”
ときどき来てくれる方。
今回は、体がだるいといってこられた。
腰もぎっくり腰になって痛くなった。
右足がときどきツルようにもなった。
夏の終わりなので、体調がととのわない。
いつもの秋の花粉症も出てきている感じがする。
仕事でも心配があるという。
来年で定年になるがまだまだ若いので、
別の会社に行くことが決まっている。
今の会社が紹介してくれた会社だ。
だから少々不安もある。
給料も安くなるといっている。
横になって見せていただくことにした。
脚は、力が低下している。
エネルギー低下だ。
ひえもある。
クーラーに当たる時間が長い。
腹は、食べれているが力がない。
夏バテがあるのかもしれない。
さらに意識を集中してみていくと、
左の肩に重たいエネルギーが来ているのがわかる。
誰か人間のように思える。
誰かと問題があるのだろうか?
「気になる人はいませんか?」
「いいえ、いません。」
よくわからないので、起きてもらって易で見ることにする。
問は「この方に入っているエネルギーは何ですか?」とした。
すると、「水地比」「天火同人」「天水訟」「水山蹇」「火山旅」がでた。
天火同人は、友達、仲間、同僚などを意味する。
水地比は、仲が良いことをいみする。親密な関係だ。
すると、仲の良い友達か、同僚などが問題になっている可能性がある。
そこで聞いてみた。
「だれか、友達とか同僚とか、なにか問題はありませんか?」
「特にないですけど。」
天水訟は、訴え、苦情、文句、要望などを意味する。
また聞いてみた。
「仲の良い友達とか、同僚とか、なにか訴えてきませんか?」
「一緒に定年になる同僚が、よく愚痴をいいにきます。」
「何の愚痴ですか?」
「次にいく会社が決まらないといっています。紹介してくれる所が良くないらしいです。」「その人と、仲がいいんでしょ?」
「友達です。」
「その人は、行き先がまだ決まらないんですか?」
「そうです。会社に対する文句を聞かされる。」
これで、残りの卦の意味もわかった。
火山旅は、移転、引っ越し、転職などをいみする。
ところが、水山蹇なので、足止めを食らって動けなくなっている。
転職したくても転職できない、足踏み状態だ。
だから文句がおおい、それを仲の良いこの方に訴えている。
すると、文句を聞くことになるのでこの方も疲れてくる。
友達については、ある程度のところで妥協しないと仕方ないだろう。
漢方は、夏バテに対して清暑益気湯を処方して終わりにした。
コメント
●「水山蹇」は、足止め、足踏み、進めない、などを意味する。凶を表す卦の一つだ。
●「天火同人」と「天水訟」だけが出たのなら、”この方に文句がある悪意を持っている同僚”のように受け取れるが、同時に「水地比」が出たので、”仲の良い”という意味も加えて解釈しないといけない。だから、”仲の良い同僚が、会社に対する文句をこの方に訴えている”というふうな解釈に持っていった。
●このケースでは、転職(火山旅)ができなくて、足踏み状態(水山蹇)にあるのだが、
状況によっては、足踏み状態(水山蹇)が解除されて、転職(火山旅)ができそうだ、というような場合もあるだろう。判断はケースバイケースの状況により行わないといけない。