”待つのが利口”
初診の患者さん。
最近イライラが多く友達に当院を紹介された。
不安があり眠りも浅い。
ついでに腹痛もある。
うつ病かと御本人は思っているが心療内科は行っていない。
望診で、サッと見ただけで首が重いのがわかる。
目も疲れて重い。
横になてもらって診察する。
足は緊張がある。ストレスがありそうだ。
腹も緊張している。
胸脇苦満といっていい。
首が重くて目も疲れている。
更に、意識を集中してみると、後ろの首におもたいエネルギーが乗っている。
このような時には”やるべき仕事””雑用””責任”などがあることがおおい。
やらないといけない差し迫った仕事は重たいエネルギーとして首に乗る。
そこで聞いてみた、
「なにか、やらないといけない事がおおいですか?雑用とか?」
すると「医師への対応が大変で。」という。
「なにやっているんですか?」と、私。
「調剤薬局の薬剤師です。」と患者さん。
更に聞くと、隣の診療所の内科の先生が色々要求をしてくるらしい。
薬の内容の変更とか、データを調べてもらいたいとか、新しい薬をいれろとか、
患者にたいする態度がわるいとか、なにかにつけ文句と要求がおおいらしい。
調剤以外のそれらへの対応で疲れるという。
それがストレスになっているらしい。
かれが薬局の責任者なのでどうしても仕事量が多くなる。
辞めることを考えているというが。。。
さて、どうしたらいいものか?
起きてもらってPTMで易に聞いみた。
「どのようにすればいいですか?」と問いを立てた。
すると「水天需」、「風天小畜」、「風火家人」、「火山旅」が反応した。
「水天需」なので、とりあえず待てということだろう。
「風火家人」は家族なので、奥さんのことか?
「奥さんは頼りになる?」と聞いてみた。
「男まさりのひとで、頼りになる。」と答える。
すると、奥さんに相談することを意味すると見た。
「風天小畜」は、”蓄える”や”小さな障害”をいみする。
この場合は、待つ間に、お金や知識を蓄えろという意味だろう。
そして、最後に「火山旅」はなにか。
たぶん、時期が来たら転職せよということだろう。
火山旅は転職、転勤、引っ越しなどをあらわす事が多い。
すべての卦が一つのストーリーで繋がった。
しばらく待って、相談して、準備して、そして辞めろということ。
すべての卦の意味が腑に落ちた。
この話をすると、患者さんも納得されたようだった。
漢方は補中益気湯と酸棗仁湯を処方して終わりにした。
コメント
●水天需は臨床的には待つ、待機、引き伸ばすなどを意味する。
●悪いことを待つときには、心配がある、不安があるという形で出ることがある。
●またこの卦は飲食を意味することで出ることがある。