「山雷頤」症例3:30代男性

”口が達者な先輩”

今回で2回目の方。
前回は腰痛でこられた。
腰痛は漢方で比較手安定している。
体調には大きな変化はないという。
肩こり首こりがあるという。

横になって見せていただく。
足はすこしむくみがある。
緊張感もある。
腹はやや食べ過ぎて膨満気味。
さらに集中してみていくと、
頭がおもたいのがわかる。
首も少し重たい。
入っている「気」を見ると、やや下の方から肩にはいってくるエネルギーを感じる。
重くてわりと輪郭がはっきりしている。
このような時は生きている人だ。

起きてもらってPTMで易をみてみた。
問は「入っているエネルギーは誰ですか?」とした。
すると、「天水訟」「天火同人」「山雷頤」が反応した。
訟は訴え、文句、要求などを意味する。
同人は、身内以外の人だ。友達とか、同僚がおおい。
そこで聞いてみた。
「だれか同僚とかで文句や苦情が多い人はいませんか?」
  「います、先輩です。」
あれ、先輩?
先輩なら身分が上になるので、エネルギーは上から来るはずだが。
ところが今回はやや下の方からはいっている。
どうしてだろうか?
山雷頤は、口が立つ人、喋るひと、嘘を言う人などででる。
そこでまた聞いてみた。
「その方は、ペラペラ喋るけど、実力はないんじゃないですか?」
  「そうです。今の職場で私より長いので先輩ですが、あまりできない人です。」
だから、エネルギーは下から来ている。
納得できた。
この方はそれで迷惑を被っていて、いい加減な先輩に腹が立っている。
漢方は抑肝散陳皮半夏などを処方して終わりにした。

コメント

●「山雷頤」は食べさせる、養う、喋る、など口に関することででる。外卦が上の顎を指し、内卦は下の顎を示している。

●今回は、よく喋る人、口が達者ない人という意味ででた。

●入ってくるエネルギーの位置や方向でその人との関係性がわかる。上から来ると自分より上の人だ。今回は、先輩なのに下から来ている。このような場合は、実際は自分より実力がない低位の人と判断できる。