”勿体ないので胸焼け”
2月に1回程度来られる方。
前回の、脚のだるさはへったという。
今回は、胸のつかえ感があるという。
とくに心窩部上の左のあたりが重くて時々いたくなる。
肋間神経痛かとおもって整形に行ったが異常なし。
内科に行って、心電図とレントゲンをとっても異常なし。
心配になったので当院に来院した。
横になって見せていただく。
脚はむくみと瘀血がある。
水などがたまり気味だ。
腹はやや膨満。
特に下腹がでている。
食べ過ぎだろう。
胸の痛いというところを触っても圧痛はない。
なにだろうか?
意識を集中してみてみると、胃が思いたい感じがある。
もしかして逆流の可能性がある。
逆流だと、食道に酸が上がるので胸焼けがする。
この方の痛みは、胸やけの可能性がある。
起きもらってPTM易で見てみた。
問は「身体の奥の問題は?」としてみた。
すると、「火天大有」「雷天大壮」「山沢損」などが反応した。
雷天大壮は、たくさん食べるひとに出ることがある。
火天大有は、たくさん有る、盛ん、指導者などをいみする。
この方については、たくさん食べる人なので、食べ物がたくさん有るという意味が近いだろう
すると、どこにあるのか?
以前、火天大有が冷蔵庫に対応したことがあるので、聞いてみた。
「冷蔵庫に食料がたくさん入っていませんか?」
「そうです、一杯です。昨日もイチジクをもらいました。」
「それなら、傷むのでどんどん食べていませんか?」
「そうなんです。捨てるのも勿体ないので。次から次に食べています。」
これでわかった、勿体ない=損したくない、と解釈できる。ここで「山沢損」に繋がった。
冷蔵庫に食料を沢山いれて、それが傷んでくるので、捨てるのは勿体ないので、次から次に急いで食べている。
それで食べ過ぎになって、逆流性食道炎が起こっている。
だから、方針としては沢山食料を溜め込まないことをアドバイスした。
漢方は五積散を処方して終わりにした。
コメント
●「山沢損」は、損失、損害、被害を被る、なくす、などの意味ででる。臨床では割と頻回に遭遇する。
●今回は、「勿体ないと思うこと=損したくない、損害を与えたくない」、という意味で解釈できた。「損」でも意味の幅が広いので、状況にあわせて解釈することが必要だ。
●食べ過ぎの人で「火天大有」がでると、大概が、冷蔵庫や戸棚に食料がつまっている。