”大畜は大きな家畜”
口コミで来られた方。
5年前から皮膚の調子が悪くて治らない。
あらゆる治療を受けたがよくならない。
ステロイド、紫外線、漢方、オーソモレキュラー、
ホメオパシー、大腸洗浄、鍼灸などいろいろやった。
皮膚科の病名は慢性蕁麻疹とか色々ついたが、
結局はっきりしないという。
大腸癌のOPもうけている。
これは初期だったので助かった。
皮膚の症状は全身に発疹がでて夜に痒くなる。
現在は皮膚科の薬はのんでいない。飲んでも効かないという。
横になっても見せてもらった。
足は触るとピリピリしているのでやはりアレルギーはある。
皮膚の下にむくみがあり流れが悪い。
腹は瘀血がある。
大腸癌の手術をしているのであって当然だ。
肝臓の鬱滞があるように思う。
食事がわるいと肝臓が鬱滞する。
そして、解毒ができないと皮膚に症状が出る。
とくに甘いものや肉が問題のことがおおい。
太淵に鍉鍼を当てて意識を集中すると、
首が重いのがわかる。
のぼせがある。
喉と鼻がムズムズする。やはりアレルギーが基礎にある。
起きてもらってPTMで易をやってみた。
「体の奥の問題は?」と問いを立てた。
すると「風天小畜」「山天大畜」「雷天大壮」「風沢中孚」などが反応した。
この卦の組み合わせは、解釈はそれほどむつかしくない。
今までの経験から、
風天小畜は鶏肉、豚肉を意味する。
山天大畜は牛肉、豚肉を意味する。
風沢中孚は卵を意味する。
雷天大壮はたくさん食べる人だ。
つまり、動物性食物をたくさん食べる人だ。
肉、卵、牛乳をやめればいい。
山天大畜が最も反応がきついので、聞いてみた。
「肉が多くないですか?とくに牛肉が多くないですか?」
「好きです、焼き肉は週に1回たべるし、ステーキは好物。野菜は全くたべない。」
「肉をやめれますか?」
「えーっ、好きなんで、、野菜は嫌いだし。。」
しばらくやめたほうが皮膚はよくなるだろうことを説明した。
この患者さんには、特に「マクロビオティック」の食事を勧めた。
食事を守っていただければ、漢方は特にかわったものはひつようでない。
補中益気湯と五積散とモンテルカストを処方して終了にした。
コメント
●「山天大畜」は、たくさん蓄える、蓄積、貯蓄、妨害があって進めない、制止などの意味がある。
●臨床的には「妨害があってストップ」、「我慢してお金を貯める」などの意味ででたことがある。
●しかし、この卦で一番多いのは「牛肉、豚肉の食べ過ぎ」だ。大畜=大きな家畜、小畜=小さな家畜、中孚=卵(卦の形を見ると真ん中が2陰で卵のよう)、となる。
●肉の食べ過ぎで色々問題が出る人が非常におおい。皮膚はその典型だ。牛、豚、鶏の飼料はほぼ100%輸入されたトウモロコシ。すべて遺伝子組換されている。そして農薬がどっさりかかっている。それを動物がたべて人間が食べるのだから身体に問題がでて当然と言える。
●「マクロビオティック」はその意味でこのような方には非常によい食餌療法の指針となる。久司先生によると、肉類の摂取は月に1回ていどがよいとある。
(下の画像は久司先生のビデオから引用)