「天風姤」症例3:30代男性

”女は怖い”

1月前から来てくれている方。
最初は下痢をすると言ってこられた。
これは漢方でよくなった。
今度は、頭がいたい、喉がつまるという。
望診で患者さんをみていると頭が痛くなった。
良くない気を帯びている。
これはなんだろうか?
何かが憑いているのかもしれない。

横になって診せていただく。
足は肝経が突っ張る。
腰には力がない。
首がおもたい。
喉が詰まる。
頭も重たい。
左の肩の後ろに嫌なエネルギーが入っているようだ。
それも遠くからのように感じる。
輪郭がはっきりしているので生きている人のように思える。

起きてもらってPTMで易を見てみた。
「後ろから入るエネルギーは何ですか?」と問いを立てた。
すると、「地水師」「天火同人」「地天泰」「山火賁」「天風姤」「雷沢帰妹」などが反応する。
地水師、天火同人は、誰かが怒っていることを表すことが多い。
さらに、山火賁が加わると怒りの程度がきつい。
雷沢帰妹は恋愛、結婚の卦だ。しかしこの方は独身なので結婚ではない。
天風姤は出会うことを意味するが、文字からわかるように臨床では女性関係を表すことがおおい。
以上から、恋愛関係にあった女性に恨まれていると推測した。
地天泰は気の交流を意味するので、それも深い関係にあった女性だ。
そこできいてみた。
「だれか、女の人に恨まれてない?」
  「えー、わかるんですか。3月前に別れたんです。でも恨まれているとは思っていなかった。」
「きつい人でない?」
  「そうです。妄想的に思い込むので、危ないとおもって別れたんです。」
「それだったら、まだ怒っているよ?」
  「そうですか。。。」
彼は困ったという顔をした。
しかし本人はあまりわかっていない。
女性に恨まれると怖いということを十分には分かっていない。
今の症状にそれが関係していることをあまり理解していない。

今回の治療は、まず彼に乗りかかっている女性のエネルギーを和らげることが必要だ。
そこで、その女性に対してPTMで効く薬を探してみた。
すると、西洋薬ではロナセンが反応。
これは本来、統合失調症に使う薬だ。
其の女性は精神病的な要因をもっているのだろう。
そこで、ロナセンを常時胸ポケットに入れておくように指示した。
同時に、酸棗仁湯を処方して患者さんには飲むように指示した。

コメント

●「天風姤」は、本来は、遭遇、出会いをいみする卦だ。しかし女性関係の問題で出ることが多い。

●「天風姤」の卦辞で「女壯。勿用取女。」とあるように、あまり良くない女性だ。

●入ってきているエネルギーに対して効くと思われる、薬などを常時身につけていると、そのエネルギーの力を和らげることができる。憑いている人も良くなるし、憑かれている人もよくなる。エネルギーを飛ばして来ている人も、裏切られて悲しんで怒っているので、良くなって頂く必要がある。