”土には水を”
当院には3ヶ月程度に1回来られる方。
今回はイライラがあると言ってこられた。
仕事でストレスがあるらしい。
体調は比較的いいという。
ストレス対応ならいつもの抑肝散陳皮半夏でいいかもしれない。
他になにか問題があることも多いので診察させていただいた。
ベッドに仰臥位になってもらい漢方の診察をする。
足はやや緊張がのこる。
ストレスというように肝経が突っ張っている。
腹は胃が動いていない。
食べても美味しくないだろう。
喉も詰まっている感じを受ける。
全体的に気の流れが良くない。
滞りがある。
さらに意識を集中すると、左後ろの下の方に重たいエネルギーをかんじる。
下からくるエネルギーは動植物や子供のことが多い。
そこで聞いてみた。
「ペットは飼っていますか?」
「いません。」
「植物は、ありますか?」
「観葉植物を置いています。」
「なにか問題はない?」
「特にないんだけど、、私のところの植物はよく枯れるんです。」
「枯れるって?どうして?」
「わからないけど、今日もこの前買ったのが茶色になっていた。」
「植物の名前は?」
「わからない。わすれた。」
それならば、家の植物が問題かもしれない。
起きてもらってPTMで易をやってみた。
「その植物のもんだいは?」と聞いてみた。
すると「坤為地」「水天需」「雷火豊」が反応した。
植物がテーマなので坤為地は”土”を意味するように思う。
水天需は、普通は”待つ”という意味だが、天の上に水があるので雨が降りそうで降らない状況、つまり”雨乞い”を示唆する。
たぶん植物は水がほしいのだろう。
そうすると雷火豊は”栄養”だろう。養分が少ない状況が浮かんでくる。
さらに話を聞くと、水は2週間に1回程度上げているらしい。
サンスベリアにはそれでいいかもしれないが、今回問題となっている植物にはキツイと思われる。
そこで、植物の土をみて、水と栄養が少なそうだったら補給するようにアドバイスした。
漢方は抑肝散陳皮半夏と五苓散を処方して終了とした。
コメント
●「坤為地」は、柔順、従う、包容力などをいみするが、臨床ではそれほどでない。今回は”地=土”という意味でこの卦がでた。
●「水天需」は”待つ”という意味があるが、今回は”水をくれるのを待つ”という意味だ。
「雷火豊」は臨床では”栄養が豊富なもの=お菓子、甘いもの”という意味でよく出るが、今回は栄養分のことと解釈できた。
●植物や動物、昆虫など自然のものが人間に気のレベルで影響していることがある。多いのはペットだがそれ以外の生物も影響する。変わったところではイタチやムカデとかいうのもあった。