「坎為水」症例2:30代女性

”曇りのち雨”

月に1回来てくれている方。
3日前から体が重いという。
なぜだかわからない。
以前は仕事のストレスがあったが
今は解決して精神的に安定している。
花粉の症状は軽度あるが、
抗アレルギー薬でうまくコントロールできている。
でも流れが悪い。
見ているだけで重くなる。。。

横になってもらい診察する。
足には少し浮腫がある。
腹は流れが悪い。
軽い緊張感がある。
ガスも少し。
少し食べ過ぎぎみ。
気の流れがスッキリしない。
御本人も調子が悪いが、理由がわからないという。
頭の中もまとまりがない。
悪いエネルギーが他から入っているわけでもない。
普通は、腹診などの四診で問題点が明らかになるのだが
今回のこのケースはわからない。
診断の取っ掛かりがつかめない。困った。

起きてもらって易に聞いてみた。
「今回の問題点はなにですか?」と問いを立てた。
すると、「水天需」、「坎為水」が反応した。
坎為水は四難卦の一つで、”動きが取れない、穴に入る、困難困窮、険難”など意味する。
なにか困ったことがあるのだろうか?
「なにか困っていますか?」と聞いてみた。
  「とくに、今はないです。」と答える。
坎為水が意味するほどドツボに入っているようには見えない。
すると、単純に「水」が問題かもしれない?
「最近暑くなってきたので水をたくさん飲みませんか?」
  「意識してたくさんの飲んでいる。」
水の可能性がある。
そう言えば、去年も梅雨の時期に体調不良がおこっている。
「天気が悪いとしんどくないですか?」
  「曇りとか雨だと体が重くなります。」
この1週間曇りと雨が続いているので、そうかも知れない。
すると「水天需」も理解できる。
水天需は、”待つ”という意味に多くはとれるが、、
今回は”曇り”の意味だろう。
なぜなら、水天需の象伝に「雲上於天需。」(くもてんにのぼるはじゅなり。)とある。
これは雲が空にでて雨が降りそうな状態だ。
だから、「曇り」だ。
すると、もとにもどって「坎為水」は水が2つ重なるので「雨」ととれる。
つまり、今回の問題点は曇り~雨の天候が問題だ。
それに水の飲み過ぎが加わる。

ついで漢方をPTMで見てみた。
すると、五苓散が反応。五苓散はのどが渇いて水を飲みすぎる割には尿が出にくい人に使う漢方だ。とくに天気が悪いときの体調不良によく使う。
以上から今回は五苓散を処方して終わりとした。

コメント

●「坎為水」は険難、困難、穴に陥る、動きが取れない、八方塞がりなどの悪い意味があり、臨床でもおなじような意味で出ることがおおい。

●いままで、「病気の予後が良くない」、「引きこもり」、「冬の時期」、などで出たことがある。

●このケースのように水に関係する時にも時々でる。「水を飲みすぎる」、「魚を食べ過ぎる」などででた。魚は「坎為水」+「風天小畜」(=小さな動物)として反応した。