風地観(ふうちかん):仰ぎ観る

観、盥而不薦。有孚顒若。
観は、盥して薦めず。孚有りて顒若たり。
かんは、かんしてすすめず。まことありてぎょうじゃくたり。

象意(意味する所)

■坤地のうえに巽木がはえている、それを人が仰ぎ見ている、だから観という。卦の形からは、4陰が2陽を仰ぎ見ているので、これからも観がでる。

■「観」なので、見ること、眺めること、伺うことなどすべて「見る」に関すること。
「観念」ととると、心に観ずることなので、精神的な意味合いが出てくる。精神的な物事には吉とされる。

■卦の形は「大艮」なので、止まる、静止とも見えるし、もっと連想を広げると、鳥居、門、墓などとも取れる。

■消長卦のひとつで、陰が進んで陽が2個しか残っていない、衰退の兆しがあるととる。

■「観光」は4爻の爻辞からできた言葉で有名。

クリニカル易占でのポイント

●臨床ではそれほど出ない卦だ。以前「お墓参り」という意味で出たことがある。この卦の形は「大艮」で鳥居や廟の形に似る。だから、先祖祭り、参拝などを意味することがある。

●症例1では観の卦の形を「ステージ」と取った。 ステージに上がると観客からは仰ぎ見られることになる、「観」にピッタリと符合する。

●症例2では素直に「仰ぎ見る」ととった。目上の人を仰ぎ見る意味だ。

症例