”うるさい親戚”
1年ぶりに来られた方。
1月前に癌を患っていたご主人が亡くなったという。
自宅で介護して最後は大した苦しみもなく亡くなった。
患者さんは介護で頑張って後悔はない。
ホッとしたが、
でも疲れが残る。
体調を整えたいので来られた。
横になってもらいみてみる。
足は、肝経が少し緊張。
むくみもある。
腹はやや腎虚ぎみ。
胸脇苦満もすこしある。
ストレスはないと言うが気の流れはよくない。
ご主人が亡くなってホッとしているはずだが、どうしたのだろうか?
鍉鍼をあて、意識を集中すると患者さんの後ろにたくさんの人が来ている印象がある。
だれだろうか?
「沢山の人がきているけど、多くの人と関わりがありますか?」と聞いてみた。
「ジムもいっているし、お寺のボランティアもやっているし、近所の人ともよくでかける。」
人付き合いがおおい人のようだ。
それならわかるが、でも気が重たい。
友達とかだと、気の流れがいいはずだ。
どうしたのだろうか?
起きてもらってPTMで易を見てみた。
「気の流れが悪い原因は?」と問いを立てた。
すると、「風火家人」「雷天大壮」「地水師」「火天大有」
などが反応する。
「風火家人」なので知人ではない、身内の問題だ。
「地水師」があるので、なにか揉め事があるのかもしれない。
それはなにか?
そこでまた聞いてみた。
「身内で嫌なことがないですか?腹が立つこととか?」
すると「主人が亡くなってから、主人の家族と仲が良くないので、連絡しなかった」
「それであちらの方が機嫌が悪いのかもしれない。」と言う。
以前から、ご主人は身内と折り合いが悪かったらしい。
すると、「雷天大壮」はその親戚かもしれない。
「雷天大壮」なので、騒々しくてうるさい人をイメージする。
「火天大有」も、押しが強くて、人の上に立つイメージだ。
そこで聞いてみた。
「口うるさい人とか、押しが強いひとですか?」
「主人の兄がそんな人です。兄がいつも親戚を代表していろいろ言ってきていた。」
ということは、多くの人が来ている感じがしたのは親戚の人たちだ。
遺産の問題も少しは関係するのかもしれない。
でも、そこまで詳しくは聞けなかった。
亡くなってからまだ1月なので、しばらくすると落ち着くだろう。
患者さんには、考えすぎを良くする「酸棗仁湯」を処方して終了とした。
コメント
●「雷天大壮」は、壮大、勇壮、勢い、パワフル、勇猛、などを意味する。
●身体的な問題では「たくさん食べる大食らい」などとして出る事がおおい。
●「火天大有」もよく似た感じがある。こちらは「リーダー」「人の上に立つ人」という感じをもつ。