”大物同士の戦い、どちらに付く?”
前回は動悸があると言ってこられた方。
循環器科から抗不整脈剤がだされていた。
当院では還元清血飲を追加処方して心臓は安定したという。
今回は3ヶ月ぶりの来院。
主訴は手の皮膚が痒い、肩こりがある、目が疲れるということだ。
手の皮膚は冬になって乾燥があるので余計に痒くなったようだ。
そこで横になってもらって診察した。
足には冷えと軽い緊張がある。皮膚は乾燥。
奥の方に瘀血がある。
腹はやや食べすぎで張っている。
胃のあたりから肝臓ににかけての胴回りが重たい。
手の皮膚、顔の皮膚も乾燥。
ピリピリしてアレルギーの反応がある。
喉から鼻にかけての違和感もありこれもアレルギーだろう。
加えて、左目が重たい。肩こりがありノボセがある。
気の流れもそれほどよくはない。
左目の反応はストレスで起こりやすいのだが、、、
「ストレスがありますか?」と聞くと、母の介護で大変だという。
そこで起きてもらってPTM易をする。問は「問題は?」と聞いてみた。
すると、「地水師」、「火天大有」、「雷天大壮」が反応した。
これは母を表す卦ではない。母なら「風火家人」などが出るはずだ。
最初に、「地水師」は”争い、戦い”を意味するので、患者さんに聞いてみた。
「なにか、周りに争い事とか、仲が悪い人がいませんか?」
「ウ~ン、、あります。」
「誰ですか?」
「お花の先生と、そこに来ていたお茶の先生が仲が悪くなって」
「お花と、お茶?」
「そう。その2人は元は仲が良くて、私は2人に教えてもらっていた。それが、仲が悪くなって」
「そうですか」
「間に入って、悪口を聞かされるので、、」
なるほど、「先生」なので「師」でもある。だから卦は本質を突いている。
次に、「火天大有」と「雷天大壮」は両方とも”壮大、雄大”などを意味する卦だ。
この2つが一人を表すというよりも、2人をべつべつに表すのではないだろうか。
そう考えるほうが素直だ。
「火天大有」は”指導、指揮”を意味するので、聞いてみた。
「その、お花の先生は、ヤリテで指導力がないですか?生徒が多いとか?」
「そうです、生徒さんがたくさんいて、力がある。」
やっぱりそうだ。結構大きな人だ。
また、「雷天大壮」もよく似ていて”壮大、パワー、勢い”を意味する。そこで、聞いてみた。
「来ていたお茶の先生は、大柄で、パワーがないですか?」
「そうなんです、なんで分かるんですか?美人で目立つ、力がある人です。」
やっぱりそうだ。そうすると、”大物、強いもの”同士の喧嘩になる。
その間に普通の人が挟まると、キツイだろう。
それが、隠れたストレスの原因だとわかった。
原因はわかったのだが、方策はどうするか?このままだと片手落ちになる。
患者さんが困っているので「どうすればいいか?」もPTM易で聞いてみた。
すると「風地観」が反応。
なるほど、”観察”していればいいということだ。
深く関わらないで、状況を客観的に見ておればいいということだろう。
そうすれば、患者さんにトバッチリはこない。
このようにアドバイスして、PTMでアレルギーに対しては「プランルカスト」と、漢方は「補中益気湯」を選んで、終了とした。
コメント
●「雷天大壮」は、壮大、勇壮、勢い、パワフル、勇猛、などを意味する。以前の臨床では「夫婦喧嘩でよく怒鳴る人」、「大柄でたくさん食べる大食らい」などとして出たことがある。
●「地水師」は、争い事が基礎にあるときによく出る卦だ。基本はグループ間の諍いだが。個人間の争いでもこの卦が反応する。
●「火天大有」、「風地観」は別にアップしているので見てください。