”知らぬ間に入られ、憑かれた”
中学校3年の女子。1年前から学校を休みがちになっている。
お母さんが当院にこられていることもあり、連れてこられた。
事情を聞くと変わっている。
1年前に、急に胸がモヤモヤして苦しくなって、学校や色々のことに支障が出てきた。
急に涙がでてどうしようもなくなるという。
何かをやろうとすると、胸のモヤモヤがひどくなるので出来ない。
その他に、ご飯をバカ食いすることもある。
お菓子なら女の子で割とあるが、ご飯とかラーメンを食べるらしい。
最近では学校を1週間前から休んでいる。
他に、週の半分は頭痛がある。また、生理痛もきつくて生理前に体調が落ち込む。
心療内科にいったが良くならないと。
以上のように、様々な症状があり、これはなにか変だ、怪しい。
横になってもらい診察に入った。
足は緊張があり、奥に瘀血がある。腎経が弱く腎虚がある。
左足の肝経が緊張している。
腹は張っていて下腹に瘀血を認める。
生理痛があってもおかしくないだろう。
右手首の「太淵」に接触鍼を当てて、全体の気の流れをみる。
胸につまる感じがあり、胸がおもたい。
この子がいっている、モヤモヤとはこれだろう。
その裏の胸椎6,7のあたりの流れが非常にわるい。
ここには「霊台」というツボがある。
以前の経験からこのあたりに変なエネルギーがこびりついている人がいた。
いわゆる、霊障だ。
この子の場合もその可能性がある。
起きてもらって、椅子に座ってもらって、処方を考えることにする。。
まず、高次のエネルギーの異常があるので「バッチフラワーレメディ」の花のパネルを使ってPTMを行った。こうすることで「メンタル体」の異常を見ることができる。
すると、「ウオールナット」が反応した。
「ウオールナット」が反応する時は、”周りから影響を受けやすい人”といえる。
周りの”邪気”や”エネルギー”を被りやすい。いわゆる、霊媒体質の人で出やすい所見だ。
そこで、聞いてみた。
「周りの人とか、物や、場所から影響をうけない?たとえば、満員電車とか苦手じゃない?」 「そうです、イヤな人とか場所はわかる。人混みは嫌いです。」
やっぱりそうだ。
人混みは、沢山の人のエネルギーが混じっていて、その中に邪気があると、敏感は子はもろに影響を受けてしまう。
次に、ツムラの漢方のパネルをつかって、PTMで漢方を選んでいった。
すると、「甘麦大棗湯」が主薬で「酸棗仁湯」が補助薬として反応した。
「甘麦大棗湯」は面白い漢方で、”甘み”だけの漢方だ。
世間でイメージされる漢方とはちがう。
この漢方が効く人は”自然に泣けてくる、笑いが止まらない、夢遊病”などの症状があるとされる。
漢方の本では「ヒステリー」症状に使うと説明されている。
この患者さんは、「急に涙が出る」と言っているので、「甘麦大棗湯」が効く可能性がたかい。
従って、PTMの反応は正しいと予想される。
実際に甘麦大棗湯の写真を指でさわっていると背中の流れが改善するのが感じられた。
「酸棗仁湯」は、頭が過敏になっていて、雑念、妄想が浮かんでくる人につかう。
これも、正しいだろう。
さらに、念のため『今日の治療薬』の「向精神薬」「抗うつ薬」「抗不安薬」のところをPTMでスキャンしても反応がない。
多分、西洋薬はこの子には効かないだろう。
ここまで来て、背中の霊台のあたりの重さはかなり緩んできたのだが、まだ残っている
これは何か?興味があったのでPTM易で「背中の重いエネルギーは何か?」と、聞いてみた。
すると、「天火同人」の下3爻、「巽為風」の下3爻が反応した。
下3爻とは卦の初交から下に仮想的な爻の位置を想定して、3つ下を意味する。
普通の易の本にはでてこない。私が独自にPTM易で見つけた方法だ。
これは今までの経験で、地下を意味していて多くは”亡くなった人”を表す。
すると、「天火同人下3爻」は”亡くなった人の影響”と見ることができる。
では「巽為風」は何か?この卦は、伏入、忍び込む、などの意味がある。
「巽為風」も下3爻で反応したので、「天火同人」と組で読むべきだろう。
この2つの卦と今までの所見を総合して解釈すると、”亡くなった人のエネルギーが背中の霊台に忍び込んだ”ことが今の病状に関係しているといえるのでは無かろうか。
PTM易で卦を選んでいる時も、背中のこわばりは緩んできた。
でも、まだ完璧には取れていない。
しかし、この患者さんでは「甘麦大棗湯」でかなり改善することが期待できる。
片頭痛の症状や月経前症候群の症状もあるが、PTMではこれらに対する漢方は全く反応がなかった。
まず、いま一番問題となっている「霊障」類似の症状をよくすることが肝要だ。
今回は、甘麦大棗湯を朝と昼に、酸棗仁湯を夕方に飲むように、処方して終了とした。
コメント
●「巽為風」は、伏入、忍び込む、侵入、従う、などを意味する。風のように隙間から入るイメージだ。臨床ではあまりでない。以前、この卦と「天雷无妄」の組で花粉症と診断したことがある。「天雷无妄」は自然物で”花粉”を表し、「巽為風」は”風”を意味し、この2つで”風に飛ばされた花粉”と読んだことがある。
●卦の下~爻は特に「風火家人」と「天火同人」で大事だ。「風火家人」で下の爻が反応した時は、亡くなってわりと間近の家族のことを意味する。「天火同人」の下の爻が反応した時は、時間が立って家族が先祖になってしまった場合や、この例のように他人の亡くなった人のことを表す。「風火家人」の投稿も見てください。
●バッチフラワーレメディは患者さんの「メンタル体」の異常を探る時に使っている。38個の花の写真をパネルにして、高速にPTMで探っていく。この方のように「霊媒体質」の人では決まって「ウオールナット」が反応する。他に、怒りがある人で「ホリー」や「ビーチ」が反応することが、臨床では非常に多い。怒りがあると、いろいろな症状が起こってくる。このレメディーに対応する漢方は「抑肝散」や「抑肝散加陳皮半夏」だ。私の臨床では抑肝散、抑肝散加陳皮半夏を使うことが必然的に多くなっている。
●「霊台」とは面白いツボで、名前のとおりに、変なエネルギーが入りやすいように感じている。いわゆる「憑依霊」だ。表面についた「霊」は簡単にはらえるが、ツボに入ったものは時間がかかるように感じる。今回も初回では無理のようだった。
●世間でいう「霊障」とか「憑依」とかは、臨床をやっていると結構みつかる。「気」のレベルで見ると、「コーザル体」などの高次のレベルで乱れがある。私は霊能者ではないが、PTMをやっていると「気」に敏感になるので、肉体から高次のレベルまで各段階の異常を感知できる。だから、世間でいう「憑依」であっても、気の異常としてみているので、オドロオドロシイものとは思っていない。かつ、漢方にしろ、易にしろ、護符にしろ、PTMで判断して異常に対処できる。怪しい霊能者に頼る必要はない。