「風火家人」症例3:30代女性

”会いたくない姉”

月に1回程度の頻度で来てくれる方。
今回は胃腸の調子が悪いという。
少し下痢気味。
夜には咳もでる。
風を引いたのかもしれないと思ったので、
売薬の風邪薬をのんだようだ。
すこし気分はましになったが、
まだスッキリしない。
体調も気分も沈滞気味だ。
それで、当院を受診した。

横になってもらい見せていただく。
脚には冷えがある。
クーラーで下半身がひえている人が多い。
夜に冷えると風邪をひくだろう。
夏の風邪も意外と多い。
腹にも冷えがある。
冷たいものを飲むのだろう。
喉にはイガイガ感がある、
アレルギーも混じっている感じがする。
首がおもたい。
さらに見ていくと、左の肩に重たいエネルギーが入っている。
輪郭がはっきりしているエネルギーなので生きている人だ。
そこで聞いてみた。
「誰か、重たい人はいませんか?会いたくないような感じのひとで。。」
  「えーと、いないです。友達も家族もいまは安定しています。」

そこで起きてもらってPTM易で見てみた。
問は「このエネルギーは何ですか?」とした。
すると、「天水訟」「火天大有」「風火家人」「雷天大壮」が反応した。
「家人」なので誰か身内の人だろう。「訟」なので口うるさい、文句が多い、要求がおおいひとだ。
そこで聞いてみた。
「家族か親戚に、うるさい人はいませんか?」
  「いません。」
「本当に?ご主人は、ご両親は?どうですか?」
  「普通の人です。」
「おかしいな、兄弟はどうですか?」
  「姉がいますが、会っていません。3年ぐらい連絡していません。」
「その人は、うるさくない?」
  「そうですが、会ってないので、意識していません。」
”姉”と言った瞬間に重たいエネルギーが緩んで「気」が流れ始めた。
これは姉から来ているエネルギーだ。
この方は会っていないといっているが、ちゃんと繋がっている。
「雷天大壮」なので、口がたつ、よく喋る人だろう。
「火天大有」なので、自己主張をする、人の先に出たがる人だろう。
「お姉さんは、結構押しが強くて、自己主張するひとでないですか?」
  「そうです、父がなくなった後、好き勝手なことを言って、偉そうにしています。だから会わないようにして、意識していないんです。」
この方は意識していないといっているが、無意識ではちゃんと繋がっている。
無意識では姉のことに腹が立っていて嫌っている。
それが相手に伝わり、姉からも嫌なエネルギーが来ている。
お互いに、悪いエネルギーのループができている。
「無意識にでは、ちゃんと繋がっていますよ。」
  「そうですか。」
無意識の方向を意識が否定すると、解決はおこらない。
無意識と意識の方向が一致すると、具体的な解決にはじめて進んでいく。
「気」のながれがよくなったので、そのあたりを患者さんに説明した。
漢方は桂枝人参湯、抑肝散陳皮半夏などを処方して終わりとした。

コメント

●「火天大有」は、多くは良い意味がある。発展、進展、成功、指導者など。でも、臨床ででるのは問題となっていることなので、悪い意味では、出しゃばり、自己主張、押しが強いなどである。

●患者さんの無意識の動きと、意識での認識は全く反対のことがある。これは話を聞いたのみではわからない。無意識を表す「気」の流れ、反応をみることで始めてわかる。
もちろん、精神分析やカウンセリングでもわかるだろうが、膨大な時間がかかる。
入っているエネルギーの反応を見ながら、易で探っていく方法は、この分野に新しいメソッドを提供するのではないだろうか。意識で抑圧しているエネルギーが何か、PTM易で「当たる」と、瞬時に気が流れ始める。患者さんも気の流れをかんじ、重たい鬱滞が瞬時に取れる。意識が隠された無意識を認識した瞬間だ。
すると、同じ方向に意識と無意識が共同して働き始めるので、解決の糸口が見つかっていく。