”会いたくない姉”
月に1回程度の頻度で来てくれる方。
今回は胃腸の調子が悪いという。
少し下痢気味。
夜には咳もでる。
風を引いたのかもしれないと思ったので、
売薬の風邪薬をのんだようだ。
すこし気分はましになったが、
まだスッキリしない。
体調も気分も沈滞気味だ。
それで、当院を受診した。
横になってもらい見せていただく。
脚には冷えがある。
クーラーで下半身がひえている人が多い。
夜に冷えると風邪をひくだろう。
夏の風邪も意外と多い。
腹にも冷えがある。
冷たいものを飲むのだろう。
喉にはイガイガ感がある、
アレルギーも混じっている感じがする。
首がおもたい。
さらに見ていくと、左の肩に重たいエネルギーが入っている。
輪郭がはっきりしているエネルギーなので生きている人だ。
そこで聞いてみた。
「誰か、重たい人はいませんか?会いたくないような感じのひとで。。」
「えーと、いないです。友達も家族もいまは安定しています。」
そこで起きてもらってPTM易で見てみた。
問は「このエネルギーは何ですか?」とした。
すると、「天水訟」「火天大有」「風火家人」「雷天大壮」が反応した。
「家人」なので誰か身内の人だろう。「訟」なので口うるさい、文句が多い、要求がおおいひとだ。
そこで聞いてみた。
「家族か親戚に、うるさい人はいませんか?」
「いません。」
「本当に?ご主人は、ご両親は?どうですか?」
「普通の人です。」
「おかしいな、兄弟はどうですか?」
「姉がいますが、会っていません。3年ぐらい連絡していません。」
「その人は、うるさくない?」
「そうですが、会ってないので、意識していません。」
”姉”と言った瞬間に重たいエネルギーが緩んで「気」が流れ始めた。
これは姉から来ているエネルギーだ。
この方は会っていないといっているが、ちゃんと繋がっている。
「雷天大壮」なので、口がたつ、よく喋る人だろう。
「火天大有」なので、自己主張をする、人の先に出たがる人だろう。
「お姉さんは、結構押しが強くて、自己主張するひとでないですか?」
「そうです、父がなくなった後、好き勝手なことを言って、偉そうにしています。だから会わないようにして、意識していないんです。」
この方は意識していないといっているが、無意識ではちゃんと繋がっている。
無意識では姉のことに腹が立っていて嫌っている。
それが相手に伝わり、姉からも嫌なエネルギーが来ている。
お互いに、悪いエネルギーのループができている。
「無意識にでは、ちゃんと繋がっていますよ。」
「そうですか。」
無意識の方向を意識が否定すると、解決はおこらない。
無意識と意識の方向が一致すると、具体的な解決にはじめて進んでいく。
「気」のながれがよくなったので、そのあたりを患者さんに説明した。
漢方は桂枝人参湯、抑肝散陳皮半夏などを処方して終わりとした。
コメント
●「火天大有」は、多くは良い意味がある。発展、進展、成功、指導者など。でも、臨床ででるのは問題となっていることなので、悪い意味では、出しゃばり、自己主張、押しが強いなどである。
●患者さんの無意識の動きと、意識での認識は全く反対のことがある。これは話を聞いたのみではわからない。無意識を表す「気」の流れ、反応をみることで始めてわかる。
もちろん、精神分析やカウンセリングでもわかるだろうが、膨大な時間がかかる。
入っているエネルギーの反応を見ながら、易で探っていく方法は、この分野に新しいメソッドを提供するのではないだろうか。意識で抑圧しているエネルギーが何か、PTM易で「当たる」と、瞬時に気が流れ始める。患者さんも気の流れをかんじ、重たい鬱滞が瞬時に取れる。意識が隠された無意識を認識した瞬間だ。
すると、同じ方向に意識と無意識が共同して働き始めるので、解決の糸口が見つかっていく。