「雷山小過」症例3:60代女性

”旅行が多すぎる”

 時々来てくれる方。
体調はそれほど悪くない。
今回は、肩こりがキツイという。
夏の終わりなのかダルさもある。
目が疲れるという。
最近はスマホを見ることが多くて目がつかれて肩が凝る。
内科では血圧などの薬をもらっている。
なにか不調があると当院に来てくれる。

横になって見せていただく。
足には緊張がすこしある。
腹にも、やや緊張を感じる。
腹直筋がツッパている。
胃の動きが少し悪い。
食欲は普通だといいうが。
更に見ると、気の流れが悪い。
どんよりしている。
意識を集中してみていくと、左の肩に重たいエネルギーが来ている。
これは何だろうか?
方向をみると、右の肩の上のあたりから来ている。
このあたりは、いわゆる「守護霊」の領域だ。
どうして守護霊から重たいエネルギーがくるのか。
このような場合は、無意識の”忠告、警告”のことが多い。
患者さんに、言ってみた。
「守護霊が怒っているかもしれませんよ。」
  「えー、何も悪いことはしていませんけど。」

そこで起きてもらって、PTM易で聞いてみた。
問は「この方の問題は?」とした。
すると、「火山旅」「雷山小過」が反応した。
火山旅は、旅行、旅、移動、転勤などを意味する。
雷山小過は、何かが多すぎるときに出る卦だ。
すると、単純に”旅行が多い”のだろうか?
自信がないが聞いてみた。
「最近、旅行が多くないですか?」
  「そうなんです、主人が退職して時間があるし、マイレージが溜まっていて。」
「どこに行くんですか?」
  「来週は、和歌山まで車で行きます。私は行きたくないんですが。主人がいくというので」
「ほかに?」
  「来月は、マイレージを使って、ベトナムにいきます。その後は、ドイツに行く予定です。」
話をきくと、ほどんど毎週どこかに行く予定が入っている。
患者さんはご主人についていくのが、かなりしんどくなっている。
無意識にはそれほど行きたくないのだろう。
それを、無意識と連動して「守護霊」が警告を発しているようだ。
患者さんには、旅行は控えたほうがいいと言って、
漢方は八味丸を処方して終わりにした。

コメント

●「雷山小過」は、少し過ぎる、超える、少しオーバー、などの意味だ。臨床では頻出する。多くは食べ過ぎの人ででる。

●今回は、単純に「火山旅」→旅行、「雷山小過」→少し多すぎる、と解釈して正解だった。
もっと深読みすると、「雷山小過」は”飛ぶ鳥”を表す。上下の2陰が翼で、真ん中の2陽が胴体だ。卦辞にも「飛鳥遺之音。」とある。この患者さんに当てはめると、雷山小過→飛鳥→飛行機とも見ることができる。だから、海外旅行が多すぎるとも解釈できる。

●右肩の上のあたりからくるエネルギーは「守護霊」などを意味する。「守護霊」のあるなしは別として、多くは無意識の警告と解釈してよい。