”次の仕事が待っている”
1年ぶりの来院。
今回は、胃腸の調子が悪くときどき嘔気がある、
頭痛もあり、ぐっすり寝れないと言う。
いつも4時頃に目が覚める、
疲れが取れないという。
ストレスがあるか?と聞いたら。
1週間前に大きな仕事が終わって今はないという。
それなら、寝れない原因は何なのか?
横になってもらい、診察する。
足には緊張がある。
やや疲れ気味でエネルギーの低下がある。
腹は、食べれているが胃の中がたまりぎみ。
胸脇苦満はわずかのみ。
鍉鍼を当てて意識を集中すると、
首が重たいのがわかる。
考えることがおおいのだろう。
首の後ろ左の肩がおもたい。
さらに良く見てみると、
なにか重たい仕事がのっているように思える。
「仕事が重たいんじゃない?終わったんですか?」
「今休み中で、1週間後からまた仕事があります。」
「何をやっているんですか?」
「エレベータの整備を自分でやっています。」
「自営ですか?流行っている?」
「自分で。4月先まで予定が埋まっている。」
それでは忙しいだろう。
自営業なので仕方ないと言えば仕方ない。
でも、それで寝れないほどのストレスになるのだろうか?
起きてもらって、もうすこし易で原因をきいてみた。
「症状の身体の奥の原因はなにか?」と問いを立てた。
すると、「天水訟」「天火同人」
「雷地豫」「風火家人」「火山旅」などが反応した。
天水訟と天火同人は、たぶん得意先からの注文だろう。
仕事の注文がおおいことを意味する。
これはこれで悪くない。
雷地豫はなにか?普通、”楽しみ、享楽、娯楽”などを意味する。
仕事が嫌いなのだろうか?
「仕事が嫌いですか?遊ぶのが好き?」
「そんな事はないです。仕事は熱心にやっている。」
それでは何が問題なのか?
「雷地豫」+「風火家人」の2つで反応がつよくなるので、さらに考えてみた。
「家族と遊ぶのが好き?よく遊びますか?」
「そうなんです、子供がサッカーをするのを見に行ったり、日帰りで旅行に行ったりするのが好きです。」
「それなら、家族と過ごす時間がないんじゃない?」
「そうなんです。」
それで、原因はわかった。
忙しすぎて子供や家族と過ごす時間が取れないのが、この方のストレスの原因となっている。
「火山旅」はこの方の仕事で移動がおおいことを意味している。
他府県まで幅広く注文が来るという。
今回は、疲れに対して補中益気湯と当帰建中湯を処方して終了とした。
コメント
●「雷地豫」は喜び、楽しみ、娯楽、悦楽、などを意味する。
●悪い側面では、遊びすぎ、怠惰、享楽などで出る。
●「雷地豫」は坤の地中から震の若木が伸び出た象なので、春や、子供も意味する。更に考えると子どもと遊ぶのがこの方は好きなのだと納得できた。