”着いて離れて、行ったり来たりも大切”
当院には毎月来られる方。
今月は、年末で忙しくて疲れがあるといって来られた。
いつも来ている方なので、すぐに横になってもらい、診察にはいった。
足には冷えがある。少しむくんでいる。
胃経の力が少し弱い。
腹は胃の流れがわるい。
目がつかれている。目にはしょぼしょぼ感ががある。
喉もイガイがしている。
花粉でもなさそうだ。
ホコリでやられた喉の違和感だ。
起きてもらって、PTM易で「何が問題か?」と聞いてみた。
すると「離為火」が反応した。
「何処かから離れていますか?それとも、離れにくい?」
「離れることはない、忙しいので机から離れずに仕事をしている」
「そこの所、ホコリっぽくないですか?」
「そうそう、空気がわるい。暖房が入って空気が淀んで来ている」
「喉がイガイがするのはそれですよ。なるべく、離れたり戻ったりしてみてください」
この方の場合も、前の方と同様「離」が少ないのが問題となっていた。
漢方は当帰湯と附子理中湯をPTMで選び、今回は終了とした。
コメント
●「離為火」は、離れると付くの2つの意味がある。「火」の動きをみると、メラメラと離れたり付いたりして燃え上がっている。そのようなイメージだ。だから、離れてもまた付くし、付いてもまた離れる。この症例は、”離れてまた付く”として解釈できた。「離為火」は臨床ではそれほどでない卦だ。
今までの臨床では「親から離れて娘が家をでた」、「離婚を考えている」などとして出たことがある。
●この症例では「離」が少ないのが問題となっていた。普通の場合は「離」が多いのが問題となりやすいが、状況によって解釈が逆になる。
●「当帰湯」は腹が冷えてガスが溜まりやすく疲れがある人に使う。「附子理中湯」は人参湯に附子がはいった方剤で、胃腸から全身を温める力があるので、冬季によく使う。