”辞めたい上司”
今回は2回目の受診となる。
前回は頭痛で受診した方。
頭痛は会社のストレスによる緊張性の頭痛だった。
漢方でよくなった。
今回は、すこし睡眠が悪いと言ってこられた。
会社のストレスは続いている。
横になって見せていただく。
足は痩せ気味で緊張がある。
脾虚があるので食欲がないのかもしれない。
腹は、ややガスがたまっている。
胃の動きが悪い。
少し夏バテ気味か?
喉のつまり感がある。
首が重たい。
更に見ていくと、左の肩に重たいエネルギーが入っている。
人間のように思える。
起きてもらってPTMで易で見てみた。
問は「入っているエネルギーは何ですか?」とした。
すると、「天火同人」「坎為水」「沢水困」「火山旅」が反応した。
同人は、同僚、友人、仲間を意味する。
困は、困難、困っている、伸びれない、などを意味する。
坎は、穴に落ち込む、出れない、窮地、などを意味する。
易では「困」と「坎」は良くない卦の代表だ。
誰かが、困難に直面して、困っている可能性がある。
この患者さんではない。
そこで聞いてみた。
「誰か、周りの人で困っている人はいませんか?」
「上司の課長が困っています。」
「どうして?」
「チームの成績が悪くて、かつ上の方から責められているようです。」
「中間管理職?」
「そうです。挟まれて、大変そうです。僕は相談を受けるんです。辞めると言っています。」
「えっー」
この患者さんはおとなしくて、自己主張が強くないので、上司は話しやすいようだ。
だからエネルギーを被っている。
そうすると「火山旅」は、この方の上司が会社を辞めようとしていることを指すのだろう。
出た卦の感じからすると、追い込まれている感じをうける。
会社は問題が多いが、患者さんはまだ若いのでしばらくは頑張るという。
漢方は酸棗仁湯を処方して終了とした。
コメント
●「火山旅」は、旅行、移動、出張、転勤、引っ越しなどででる。多くは不安定な状態をしめす。
●今回のように、辞めるのも「火山旅」で出ることがある。辞めると、ほぼなからず場所の移動を伴うからだ。
●以前に書いたように「坎為水」、「沢水困」、「水山蹇」は三大凶卦だ。この方の上司にこのうち2つが出たということは、見通しが悪い。辞めざるをえない状況だろう。