”生まれなかった苦しみ”
初診の患者さん。知り合いの紹介だという。
症状は月経前に気分の変動があり、眠くなる。
また食欲が増進して食べ過ぎるという。
いわゆるPMSだ。
婦人科にはかかっていないらしい。
当院は婦人科でないが婦人科の症状の方もよくくる。
漢方、ハーブで結構良くなるので紹介も多い。
横になって見せていただく。
まず、足は左の足首のひえがある。
触らなくても見ただけで左足のわるいのがわかった。
「左の足首が冷えているけど、変じゃないですか?」と聞いてみる。
「そうなんです、年末に捻挫してそれから痛みが続きます」と答える。
腹診では左の卵巣のあたりに瘀血をかんじる。
多分これが悪さをしているのだろう。
少しのぼせがある。
鼻からのどにかけて、花粉の症状も感じる。
接触鍼をして更に、意識を集中すると、
後ろの腰のあたりに重たいものがひっついている。
(これはなにか?)
婦人科の問題があって、腰に重いものがくっついいているときは
以前の経験から「水子」のことが頭に浮かんだ。
そこで何気なく聞いてみた。
「以前にひょっとして流産とか、ないですか?」
「あー、堕ろしたことがあって。。。」
それなら、水子でいいだろう。
起きてもらって、確認のために。PTMで易を見てみた。
「何のエネルギーが憑いているのか?」という問いをたてた。
すると、「水雷屯地下2爻」「天火同人地下2爻」が反応。
やはり、この反応は水子でいいだろう。
「屯」は植物の芽をいみする。
地下に埋まった芽で、外に出れなくて苦しんでいる。
さらに地下2爻が反応するので、死んだ人のこと。
「同人」の地下も同様に死んだ人を示す。
だからこれらの卦は水子のイメージに合致する。
患者さんは、あるお寺で水子供養をされたと言っているが、
まだエネルギーは浄化されていない。
もうすこし、心を込めたご供養がひつようだろうと思った。
患者さんは今後、子供がほしいと言っているので、さらに
その必要はあるだろう。
知り合いのお寺さんに紹介し、かつご自身でもご供養するように勧めた。
漢方は「桂枝茯苓丸加薏苡仁」を処方した。
コメント
●「水雷屯」は、下積み、芽が出ないこと、押さえつけられているような状態でよく出る卦だ。
●同時に、幼児、胎仔、動物の子供などが関係する時にもでる。
●今回は「水子」が関係することがわかった。水子は胎仔でかつ、亡くなっているので地下に反応したといえる。いつものことだが、地下に反応するときは、なくなった人、前世、などの深い問題をあらわす事がおおい。