「水地比」症例2:70代女性

”可愛い孫”

月に1回程度来てくれる方。
今回は食欲がないという。
顔もさえない。
「どうしたんですか?」と聞くと。
  「孫がコロナになった。」と言う。
お孫さんは5歳で、先週コロナになり発熱、寝込んだらしい。
一緒に住んでいないので、状況がわからずに心配だという。
電話しているがそれでももどかしい。

横になってもらい診せていただく。
足には内熱がある。
乾燥している。
腹はかるく緊張。
胃の動きが悪い。
首が重たくて、目もしんどい。
考えすぎ、心配し過ぎだろう。

起きてもらってPTMで易を見てみた。
「何が問題か?」と聞いてみた。
すると「水地比」「雷山小過」が反応する。
「水地比」は仲が良い、親しむ、などを意味する。
さらに、「比」の文字をよくみると、一人が別の人をおぶっているように見えてきた。
そこで聞いてみた。
「お孫さんを、よくおぶったりしていませんでしたか?」
  「そうなんです、可愛い子で、よくおぶっていました。」
だから、他の孫より余計に可愛いのだ。
それで「雷山小過」がでた。
すこし可愛がりすぎるといえる。
今回のコロナについても、心配しすぎなのだ。
患者さんには、それほど心配する必要はないとアドバイスして、
桂枝加芍薬湯を処方して終わりにした。

コメント

●「水地比」は親睦、和睦、仲良し、親しむ、などを意味する。

●臨床的には反対の意味で出ることが多い。つまり「親しめない」、「仲が良かったが悪くなった」など。

●「比」の文字から見ると、人が二人並んでいるように見える。もっと見ると今回のケースのように「おんぶしている」ように見える。さらに、時と場合によっては「男女の性交渉」と見えることもある。