”穴から出れない引きこもり”
夜間にトイレで4,5回起きるといって前回来られた方。
寝る前にイミプラミンをのんでもらって4回が2回にへった。
それはいいのだが、イミプラミンをのむと次の日がダルイとおっしゃる。
横になってもらって診ると、足は冷えがあり、腹も力がない。
臍下不仁がありそうだ。気の流れも全体的によくない。
単に薬の影響でもなさそうだ。
起きてもらい座って、「気の流れのわるい原因は?」とPTM易で聞く。
すると、「坎為水」が反応した。
坎為水は「水」に関係するので「頻尿」と、見てもいい。
でも症状はよくなっているし、聞いたのは「症状」でなくて「原因」だから
、これではないだろう。
そこでもっと患者さんに聞いていく。
「坎為水」は困難、険難、穴に陥るなどを意味するので
「自分か、身近の人で困っている人はいませんか?」と聞く。
すると、「あのぉ、20歳の息子が引きこもりで。。。」と話してくれた。
息子さんが中学校の時から引きこもりでは部屋からでないという。
たまに出るのも、夜にコンビニに行くときだけらしい。
それなら、穴に陥っているのは息子さんだと理解できる。
彼は、心療内科に通って薬を飲んでいるという。
私のところに連れてきたいと言うが、来てくれるかどうかわからないともおっしゃる。
「なにかできることがあるかもしれないから、もしよかったら、連れてきてみて」と
言って、今回はPTMで八味地黄丸を処方して、終了にする。
コメント
●「坎為水」は、上述のように、険難、身動きできない状態、危険、穴に落ちるなどを意味する。64卦のなかで最も凶意が強いと言われている。この患者さんの息子さんは、坎為水の穴に入って出てこれなくなっている。坎為水なら、出てくるまでにはしばらく時間がかかるだろう。
●「坎為水」は他にも、重病、死が間近、魚とかいう意味で出たことがある。
●PTM易で反応する卦は、患者さん自身のことを表すとも限らない。その人が関係する周りの人のことを表すことがある。周りの人に問題が合って、今調べている患者さんに影響が及んでいることが卦にでることがある。だから、卦の意味は、家族などの周りの人についても聞かないとわからないことがある。